「どんどん歩けなくなってきた」
「うまく身体を支えられない」
「動けないから座っている時間が増えた」
身体は動かさないと弱る一方です。
そもそも高齢になって筋肉を使わなければすぐに弱ってしまいます。
こちらでは廃用症候群の原因と対処法について書いています。
廃用症候群とは
人間は1週間の寝たきり状態で15%の筋力が低下し、3~5週間の寝たきりで50%もの筋力が落ちるといわれています。
これは廃用症候群と呼ばれる症状で使われない筋力が低下します。
廃用症候群は高齢者だけでなく若者にも現れますが、実際に廃用症候群を起こすのは高齢者がほとんどです。
筋力の低下は運動を再開すれば回復しますが、筋力低下と同時に起こる筋肉の萎縮はすぐには回復しません。
筋肉の萎縮は毛細血管の死滅が隠れているので、萎縮が起こると関節は動かしにくくなり戻るのにも時間がかかります。
寝たきり状態だと心臓から送られる1回の血液の量が6~13%減少するので、徐々に全身が酸素不足となり持久力も失われます。
血圧の低下は血栓などのリスクも高めるので、予防のために充分な水分と塩分が欠かせません。
そして呼吸が浅くなり、呼吸の筋肉が弱ることで肺炎が起こりやすくなります。
筋肉の回復期間
最近の報告では、運動不足が2週間続けば筋力を戻すのに3倍もの時間を要するとあります。(平均年齢68歳)
筋力を戻すのに行ったのは等尺性運動で、毎日の繰り返しを数回行ったとのことです。
等尺性運動とは身体は動かなくても力を入れている状態です。
20~30%の筋収縮を毎日行えば筋力の維持が可能で、40%以上の筋収縮で筋力は徐々に増加するとのことです。
逆に筋収縮が20%以下に抑えられた状態では筋力は徐々に減少し、寝たきりの状態では1日約3%の筋力低下が起こるとあります。
廃用症候群から回復するスマート筋トレ
立ち上がるのが困難な人や足が痛い人は出来ることから始めましょう。
スマート筋トレの基本は痛いことは無理してせずに、痛くない範囲で行う事を基本とします。
そのため出来る動きだけをすれば良いのです。
やり方)
まずは足を伸ばす筋肉を刺激します。
- 足を肩幅に開いて座る
- 地面に足底を押し付ける
次は上半身を動かします。
- 背筋を伸ばして座る
- バンザイして背筋を反らす
次は重心の移動を意識します。
- 背筋を伸ばして座る
- 足底をつけて上半身を前傾させる
歩くのが辛いという人の多くは筋力不足ではなく、筋肉の連動が上手くいっていません。
そのためスマート筋トレで重視するのは筋力アップではなく、筋肉の連動性を高めることです。
動くときには上半身の動きや重心の移動が不可欠です。
今回のスマート筋トレはそういったポイントを重視しているので、上半身の動きと重心の移動を意識しながら行ってください。
まとめ
筋肉は使わなければどんどん弱っていきます。
さらに寝たきりの状態が続くと筋肉の弱りは加速し、元の筋力に戻すには3倍の時間を要します。
ですが低下した筋力を戻すことは可能なので、動けるときにはどんどんと筋肉を動かしていきましょう。