内臓の機能も左右する東洋医学の気の温煦作用とは

「お腹の調子が悪い」

「何か息苦しい」

「寝ても疲れがとれない」

これらの症状は内臓の冷えが原因で、東洋医学の気の概念には色々な作用があります。

その中でも代表的なのが、体温を一定に保つ気の温煦作用です。

今回は、そんな温煦作用について解説します。

 

温煦作用(おんくさよう)とは

温煦(おんく)とは気の作用の一つで身体を温めます。

気の作用には身体を温めて体温を一定に保つ働きがあります。

体温を一定に保つのは、内臓や筋肉などの組織を温めてそれらの活動を促進するためです

人間の身体は冷えると活動性が低下し、体温が一定以下になると正常に機能できません。

すると血流やリンパなどの津液(水分)の代謝も滞ります。

現代人は気による温煦作用が衰えているせいで、低体温症となり様々な不調に見舞われているのです

内臓が冷えれば食べ物の消化吸収が上手くできなくなったり、酵素が働かないことで免疫が低下したりします。

すると身体の気(代謝)が低下して、疲れやすくなったり筋肉が凝り固まったりします。

また腸が冷えて便秘や下痢を起こしたりと様々な影響が出てしまいます。

女性の場合だと子宮や卵巣が冷える事で月経痛や月経不順、月経前症候群(PMS)などを引き起こす要因にもなるのです。

低体温の問題とは

低体温の具体的な基準はありませんが、普段から体温が35℃台の人は温煦作用が弱っていると言えます。

人間は身体の中心部が35.0℃以下になると意識や判断力の低下、循環機能の低下などの異常が起こります。

個人差はありますが、健康な人の体温は36~37度で調節されるように出来ています

冷え症の場合だと体温が36度台でも、手足やお腹などの冷えを訴えます。

普段から冷えなどに悩まされている人は、気が不足している気虚と呼ばれます。

そのため低体温と冷え性が必ずしも一致しませんが、東洋医学から見れば気(代謝)の不足による温煦作用の低下と考えています。

また冷えている自覚のない人でも、暖かな部屋に入っても手足が温まらなかったりお風呂から上がると直ぐに身体が冷えたりする人は身体に問題があります。

また、布団に入っても足先の冷たさが原因で眠れない人は、気滞による自律神経の乱れも考えられます。

また頭はのぼせているのに足元は冷えている冷えのぼせの状態だと気の推動作用の低下によります。

ちなみに戦後の時代では平均的な体温は36℃後半だったと言われます。

これは昔の人は現代人に比べて気(代謝)が高かったと考えられます。

現代人の気の温煦作用が低下している最も大きな原因には、冷暖房の完備により体温調節機能がうまく働かなくなったことが挙げられています。

温煦作用を高めるには

温煦作用は呼吸にも左右されています。

浅い呼吸を繰り返している人は交感神経が優位となり身体が冷えやすいためです。

そのため深い呼吸を意識するだけでも身体の温煦作用は高まります。

また日頃から精神的なストレスを抱えている人は、交感神経が優位なために身体が冷えやすくなっています

呼吸には交感神経を鎮めて副交感神経を高め体温を高める作用があるのです。

副交感神経は息を吐く時に優位となるので、吸うよりも長い時間をかけて吐くことが大切です。

  1. 勢いよく鼻から吸う
  2. 倍の時間をかけてゆっくりと鼻から吐く

*この時に下腹部の動きを意識しましょう。

こういった呼吸の仕方をするだけでも身体は温まるので試してみて下さい。

また身体を温める食材をとるのも効果的です。

主な食材にはシナモンや生姜、味噌などの調味料があります。

また、ニラや葱、山芋や南瓜などは冬にとりたい代表的な身体を温める食材です。

普段から呼吸を深くして、寒い時期には身体を温める食材を意識することで気の温煦作用は高まります。

まとめ

現代人の多くは気の温煦作用が低下しています。

普段の体温が低い人は温煦作用が弱い証拠です。

そんな人は意識して温煦作用を高める呼吸と食事を意識しましょう。

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