東洋医学の視点で解説する「血」の本質と重要性

血流はどれくらい重要なの?

血流が悪い人にはどんなことが起こるの?

何となく大事だと思っている血流ですが、東洋医学の基本は気血津液です。

その中でも血は現代医学の血液の認識とは少し異なります。

今回は、そんな血について解説します。

血とは

東洋医学では

血は脾胃が運化した水穀の精気が営気と肺の作用により紅色に変化して生じる

とあります。

この文章から、血とは胃腸で消化吸収された栄養に肺での酸素を取り込んだものと言えます

血は血管内を循環するもので、心臓の働きで全身を循環するので血液と同じように考えられます。

さらに血の主な機能は全身を栄養することとあります。

東洋医学と現代医学の違いは肝臓での説明です。

血は肝臓に貯蔵され調節されるとあります。

東洋医学では血は筋骨や内臓以外にも、経絡も血が栄養を供給するとされます。

経絡とは色々なツボをつないだ気血の通り道です

そして経絡は主に重要な神経や血管、筋肉の走行上に位置しています。

実際に経絡上のツボを刺激すると体性内臓反射等が起こるので、現在ではWHOにおいても治療効果が認められています。

 

血液に含まれるもの

血液に含まれる栄養は

  • 糖質
  • 脂質
  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル

などの五大栄養素になります。

糖質は生体の主要なエネルギー源で気(代謝)を高めるための原料となります。

特にブドウ糖は脳や赤血球では唯一のエネルギー源となります。

実はブドウ糖がないと赤血球は働くことが出来ません。

ですがブドウ糖は食事で糖質を取らなくても、タンパク質や脂質を食べていれば肝臓で作ることが可能です

脂質はとても効率の良いエネルギー源で、安静時では心臓のエネルギー源としても重宝されています。

脂質に含まれる必須脂肪酸は、各種ホルモンの合成や細胞膜の構成成分に利用されます。

脂質はのエネルギー量は糖質やたんぱく質の約2倍です。

タンパク質はそれを構成するアミノ酸に分解され、

  • 内臓の構成成分
  • 酵素
  • ホルモン
  • 免疫物質

などの材料として利用されます。

ホルモンには水溶性であるペプチドホルモン以外にも、脂溶性の成分を持ちますが全体としては水溶性のアミノホルモンや、コレステロールが骨格となる脂溶性のステロイドホルモンがあります。

タンパク質は、大きく分けて構造タンパク質と機能タンパク質の二種類があります

構造タンパク質とは筋肉や骨、皮膚などを構成するたんぱく質です。

皮膚で有名なコラーゲンなどが構造タンパク質です。

機能タンパク質は酸素を運ぶヘモグロビンや酵素を運ぶアルブミンなどがあります。

アルブミンは肝臓で合成される水溶性のタンパク質で、血(栄養)に含まれる様々な物質の運搬をします

タンパク質の代謝は体重60kgの成人で1日180gの筋肉などの組織を合成し、同量の180gを分解していると言われます。

そのため毎日コンスタントに食事から適量のタンパク質を補う必要があります。

血(栄養)にはビタミンやミネラルも含みます。

 

血が起こす症状

血(栄養)の中でもホルモンの不足が引き起こす不調の多くは婦人科疾患です

瘀血(おけつ)による神経痛などもありますが、血虚では婦人科疾患が多くほぼ全ての女性が一度は血虚になります。

血(栄養)には

  • 濡養作用
  • 循環の促進
  • 出血の防止

などの作用があります。

濡養作用とは内臓を潤して、内臓が働きやすい状態にする作用です。

循環の促進とは、血液の流れを滞らせることなく良い流れを保つことです。

出血の防止にはフィブリノーゲンを始めとして様々な因子が関わります。

血(栄養)の不足は爪に現れ、爪に線が入ったり硬くなって割れやすくなったりします

他にも顔色が悪くなったり毛髪の艶がなくなったりすることで血(栄養)の不足は分かります。

血(栄養)が不足した血虚(けっきょ)になる主な原因は、消化器系での栄養の吸収力が低下することで起こります。

また血液を循環させる力が不足することで瘀血が起こったり、出血や赤血球の破壊によって血(栄養)が不足する場合があります。

血(栄養)が不足することで問題が起こる内臓は

などです。

血虚になると顔色や肌の色が悪くなったり、唇や爪が荒れやすくなったりします。

そして心臓で血虚が起こると、

  • 不眠
  • 動悸
  • 不安感
  • 健忘

などが現れやすくなります。

肝臓が血虚になると、筋肉の痙攣や手足のしびれが、目の疲れや目のかすみが特徴的に怒ります。

瘀血は血が滞った状態なので血行障害を起こしています

瘀血になると

  • 出血
  • 腫れ
  • 疼痛

などが現れます。

炎症や発熱などがきっかけで起こり、寒冷による血管収縮や運動不足による循環不良などが原因となります。

瘀血が悪化するとリウマチ変形性関節症、内臓の炎症などになります

瘀血になると顔色がどす黒くなり肌が乾燥します。

その也にも頭痛や肩こりなどの不調が悪化し、女性では月経痛などのPMSが悪化します。

まとめ

東洋医学では血(栄養)を特に必要としているのは肝臓と心臓になります。

その肝臓と心臓が血虚になる事で様々な不調が現れます。

健康のために大切なのは血(栄養)を充実させて、きちんと流れを調える事です。

⇒血を整えるには

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