何だかダルい。
不調が続くが病院では異常が見つからない。
自律神経の乱れでしょうと言われた。
現代では自律神経が乱れている人が増えています。
また自律神経失調症と診断される人も増加傾向です。
これは自律神経のバランスをとることが下手になっているためなのです。
今回は自律神経のバランスについて解説します。
自律神経のバランス
自律神経には交感神経と副交感神経の二種類があり車に例えられます。
交感神経がアクセルで副交感神経がブレーキです。
交感神経が優位だと身体は元気がよく頭もよく回転します。
ですが、過剰に働けば怒ったりイライラしやすくなったります。
反対に副交感神経が優位だと、身体はゆったりとリラックスできます。
ですが、ゆったりとしている分だけ注意力が散漫になり、ミスが増えるのが特徴です。
ストレス社会と呼ばれる現代では、交感神経が優位な人が増加傾向です。
反面、アレルギー疾患を持っている人は副交感神経が優位で子供に多く見られます。
何でも頑張れる時には交感神経が優位ですが、交感神経の優位が長く続くと急にやる気がなくなります。
いわゆる燃え尽き症候群になってしまうのです。
これは副交感神経が弱すぎて、交感神経をコントロールできなかったために起こります。
交感神経から指令が来ると身体は動く準備を始め、心臓の働きが高まったり血圧を下げたりします。
反面、消化器官などの働きは抑えて身体を動く事に特化させます。
対して副交感神経からの指令は身体を休めるために出されます。
心臓の働きは緩やかにして、消化や排泄を促します。
副交感神経が優位になると、また動くための準備を始めるのです。
つまり身体を動かす指令は交感神経が行い、身体を動かす準備をさせるのが副交感神経の役割なのです。
どちらか一方が指令を出し過ぎると身体の動きが悪くなってしまいます。
自律神経が乱れると
自律神経が乱れる大きな原因はストレスです。
ストレスが身体に悪影響を与えるのはご存知かもしれません。
ですが身体にとってどんな事が大きなストレスとなるのでしょう。
身体に悪影響を及ぼすのは、嫌な人と会ったり起こられたりする精神的ストレスだけではありません。
風邪を引いたり身体を冷やしたりしても身体は強いストレスを感じます。
また睡眠不足や過労も強いストレスとなります。
身体に風邪の菌などが入ってくると交感神経が働いて、外から侵入してくる細菌と戦うために白血球の顆粒球を増やします。
疲れている身体に風邪の菌が入ってくると常に交感神経が優位になってきます。
このような状態が続くと体内ではどんどん顆粒球が増えていきます。
増えすぎた顆粒球からは大量の活性酸素が放出され組織破壊の炎症を起こします。
すると大量のアドレナリンが放出され、血管が収縮し血流障害が生じ関節などが腫れます。
結果として血管に老廃物が溜まると痛みを感じます。
交感神経が長く働くということは身体に炎症を起こしやすくなり、身体に老廃物が溜まる事で痛みを感じるようになるのです。
対して副交感神経は夜の内に白血球のリンパ球を増やします。
ですが交感神経が優位な状況が続くと、副交感神経が働く時間が減りリンパ球が減少します。
すると免疫力が低下して風邪を引きやすくなり、交感神経が優位になりやすい悪循環となります。
副交感神経を優位にするには
副交感神経がよく働くのは夜です。
夜は睡眠をとって身体を休める時間です。
そのため良質なグッスリ睡眠をとることが副交感神経をしっかりと働かせるポイントとなるのです。
良質な睡眠の基準は、
- 寝つきがよい
- ぐっすり眠る
- 寝起きすっきり
などになります。
これらを実感するためには、身体を温める事が効果的です。
日中には身体を動かして体温を上げましょう。
夜にはお風呂で身体を温める事も大切です。
そして身体を温める食事を心がけると良質な睡眠が手に入ります。
現代人は運動不足で冷たい飲み物などで身体を冷やしています。
そのせいで交感神経が優位となり睡眠の質も悪くなっています。
そのため普段から身体を温めることを意識することが良質な睡眠を手に入れる第一歩となります。
良質な睡眠を手に入れる事で、副交感神経が優位になると身体に炎症が起こりにくくなり原因不明の腫れや痛みから解放されやすくなります。
姿勢で自律神経を整える
自律神経をコントロールするには姿勢を整えるのも一つの方法です。
歪んだ姿勢は自律神経に悪い影響を与えます。
例えばパソコンなどで首を前に出していると、頭部のつけ根が屈曲し肩周りの筋肉の負担が大きくなります。
さらに首が前に出ていると胸も圧迫されるので呼吸が浅くなり、首の筋肉を使って呼吸を補助します。
浅くなった呼吸は自律神経を乱し、緊張した筋肉が余計に緩みにくくなります。
自律神経の中枢は背骨を通っています。
背骨にの中でも首から胸にかけては交感神経がメインで出てきます。
対して、副交感神経は脳や骨盤から出てきます。
そのため背骨の動きが低下すると自律神経にも影響を及ぼします。
自律神経を整えるには正しい姿勢を意識しましょう。
正しい姿勢を作るには
- 足を肩幅に開いて顔は正面を向きます
- お腹をへこませて背筋を伸ばして胸を開きましょう
- 頭を背骨の上に乗せるように意識します
姿勢を良くすると呼吸がしやすくなり身体の筋肉が緩みます。
座っている時でもこの姿勢を意識しましょう。
またスマートフォンやパソコンをする時でも可能な限りこの姿勢を整えましょう。
正しい姿勢が無意識にできるようになると、呼吸が深くなり身体が脱力できるので自律神経は整ってきます。
呼吸も大切
呼吸は肺によって行われますが、肺の機能は背骨と肋骨の動きに左右されます。
さらに背骨と肋骨の動きは肩甲骨や上腕の動きに左右されます。
そのため呼吸を深くするには肩甲骨から腕を動かすことが重要となるのです。
深呼吸をする際には胸を開いて腕を伸ばします。
これは肺が膨らみやすいように肩甲骨と上腕を動かしているのです。
逆にパソコンやスマホをする時のような丸まった姿勢は呼吸を浅くします。
呼吸には津液(水分)の流れを高める作用があります。
そのためデスクワークなどで丸まった姿勢が続くと、下半身で津液(水分)の流れが滞る痰湿(たんしつ)が起こりやすくなるのです。
だから運動をすることも大切ですが、普段から深呼吸をすることも大切です。
まとめ
自律神経を整えるには基本的な生活習慣が大切です。
昔の人はよく食べて動いて眠るという基本的な生活が欠かされることはありませんでした。
現代人は基本的な生活習慣が失われているので、生活習慣を見直すことが大切です。