臓器の中でも肺は最も潤いを必要とする臓器です。
ですが肺陰虚はそんな肺の潤いが失われている状態です。
今回は、そんな肺陰虚について解説します
肺陰虚とは
肺陰虚とは肺の津液(水分)が不足した状態で、肺の冷やす作用と潤す作用が低下している状態です。
肺の津液(水分)が不足すると微熱や空咳が起こりやすくなります。
微熱が出ると、身体は呼吸を浅くすることで身体を冷やそうとします。
暑い時期にペットの呼吸がハッハッと浅くなるのはこのためです。
呼吸が深くなると身体を温めますが、肺陰虚が起こっている身体では熱を冷ますために呼吸が浅くなるのです。
また浅い呼吸は血流を悪くするので、余計に肺の津液(水分)を不足させる悪循環に陥らせます。
微熱や空咳は、気管支の粘液分泌が不足していたり慢性炎症が隠れていたりします。
また慢性気管支炎や肺炎などの熱性疾患の回復期などでも肺陰虚は見られます。
肺陰虚が悪化すると痰に血が混じったり嗄声あるいは声が出なくなったりします。
特に午後に出やすい症状で、午後に微熱が出やすく睡眠時には寝汗などをかきやすくなります。
薬膳から見ると、補陰潤肺の食材を選びましょう。
補陰潤肺とは、失われた津液を補って乾燥した肺を潤す作用があります。
そんな補陰潤肺の効能があるのは、
- 山芋
- 苺
- 氷砂糖
などです。
山芋は特に身体を潤す作用が高い食材で補腎の効能もあります。
また苺は清熱の作用もあるので、火照った身体を冷まして津液の消耗を避けてくれます。
氷砂糖は脾胃を回復させて気(代謝)を高め、身体を元気にしてくれます。
脾胃とは胃と膵臓を含めた消化器系を指しています。
氷砂糖を使った果実酒は脾胃の機能を高めて肺を潤す効能が期待できます。
他にも補肺潤腸という食材もあり、肺の機能を高めて老廃物の排泄を促します。
補肺潤腸の効能があるのが牛乳で、チーズやヨーグルトなどの乳製品は乾燥した身体を潤す作用があります。
漢方薬では麦門冬湯(ばくもんどうとう)などの気管の粘膜を潤すものが用いられます。
また生活習慣としてはこまめな水分補給が大切で、ポカリスエットなどのミネラルバランスを整える飲み物が大切です。
肺陰虚の時には冷たい飲み物は避けて温かい飲み物を心がけましょう。
通常であれば辛い香辛料は肺を助けますが、肺陰虚の時には控えることが大切です。
陰虚の症状は50歳以降から増えてくるので、50歳以降の人は特に注意しましょう。
まとめ
肺陰虚の状態は気管支炎などの慢性的な炎症を悪化させます。
そのため肺陰虚の状態は早めに解消する必要があります。
肺陰虚を解消するには、生活や食事を気をつけることが大切です。