東洋医学から見た胃陰虚

「胃もたれする」

「お腹が痛い」

「食欲がない」

胃は様々ことが不調の原因になります。

東洋医学では津液(水分)が不足した状態も問題と考えています。

今回は、胃の津液(水分)が不足している胃陰虚について解説します。

 

胃陰虚とは

胃陰虚とは胃を潤すための津液(水分)が不足している状態です。

そのため胃の粘膜や胃酸の分泌が不十分となり炎症を起こしやすくなります。

炎症が起こる事で胃の機能は低下して食欲低下や胃痛が起こります。

特に空腹感を感じるのに食欲が湧かないという時は、胃陰虚の可能性が高いのです

また吐気はあっても実際には嘔吐しないなども胃陰虚に特有の症状です。

胃陰虚だと唾液の分泌も減少するので口の渇きも起こり水分を欲しがりますが、冷たい水分だと胃の炎症を悪化させるので気をつけましょう。

そして胃の炎症は糖尿病などでも起こりやすく、炎症が慢性的になると胃の粘膜が萎縮して胃の機能はさらに低下します。

胃陰虚を起こしやすい人は辛い物が好きだったり水分の摂取が不足した脱水状態だったりします。

また加齢による身体の水分量の減少や大手術などがきっかけで起こる場合も多くあります。

慢性胃炎とは

慢性胃炎とは胃の粘膜に白血球が集まって慢性的な炎症を起こしている状態を指します

炎症が慢性的に続くと胃粘膜が障害され、胃酸を出す胃腺が縮小し胃の粘膜が薄くなります。

慢性胃炎が長く続くと胃の粘膜が萎縮し萎縮性胃炎となります。

萎縮性胃炎まで悪化する原因の多くはヘリコバクター・ピロリ菌という細菌によって引き起こされていると言われています。

幼少期にピロリ菌に感染すると30歳位から萎縮性胃炎へ進行します。

萎縮性胃炎が危険視されているのは、さらに悪化することで胃癌が発生すると考えられているからです

慢性胃炎のおよそ80%がピロリ菌感染によるもので、

  • 胃もたれ
  • 胃痛
  • 吐き気
  • 胸焼け

などの症状が慢性的に起こります。

これらの症状は胃陰虚と同じで、放置しておくと胃潰瘍に進行してしまう危険があります。

 

胃陰虚を解消するには

食事で胃を整えるには、胃酸の分泌量を調節することが大切です。

胃酸の分泌量を調節するには、消化不良を無くして胃から腸への食物の移動をスムーズにすることが大切です

消化不良を解消するには、消化を促進する消化酵素を増やすことが有効です。

胃から小腸にかけては三大消化管ホルモンと呼ばれる消化を促進するホルモンがあります。

三大消化管ホルモンには、

  • ガストリン
  • セクレチン
  • コレシストキニン

があります。

ガストリンは胃酸の分泌や胃の運動を促し、食物を消化したのちに胃から腸へと食物を送ります。

セクレチンは膵臓からの膵液の分泌を促し、胃酸の効果を中和させて十二指腸を守ります。

コレシストキニンは胆のうからの胆汁の排泄と膵臓からの消化酵素の分泌を促して、十二指腸での脂質の消化を促します。

これらのホルモンの分泌を盛んにするには、まずはよく咀嚼することです

咀嚼するほどに胃の動きが促されガストリンの分泌が高まるのです。

ガストリンの分泌が促されるほどにセクレチンやコレシストキニンの分泌も増えていきます。

胃に優しい食事を心がけることも大切ですが、まずは咀嚼をきちんと行ってホルモンの分泌を促すことが大切です。

納豆は栄養豊富な滋養強壮食であると同時に、三種の消化酵素を含む食材です。

消化によいといわれる大根の2倍のジアスターゼを含むのが山芋です。

消化の悪い麦飯にとろろ汁をかけて食べるのもその理由からです。

胃痛は胃酸過多だけが原因ではありません。

高齢者や胃弱者の場合だと、胃酸が不足して胃痛を起こす場合もあります。

炎症や潰瘍を抑えると作用があるのがビタミンUと呼ばれるキャベツ特有の成分です。

体内では肝臓や腎臓のように沈黙の臓器と呼ばれる内臓がありますが、胃腸は喋る臓器と言われるほどに色々なサインを出す内臓です。

胃腸からは多くのサインが頻繁に出されますが、そのどれもが必要だから出しているサインです。

そのため胃腸からのサインをしっかりと読み取って対処することが大切です。

まとめ

胃の不調は気づきやすいのが特徴です。

ですが見逃す人が多いのも事実です。

ですが普段からきちんと胃からのサインを感じたら早めに対処することが大切です。

⇒大阪市北区で胃の不調を解消したい人へ

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