「普段から身体がだるくて辛い」
「自分なりに身体に良い食事や生活をしているつもりです」
「だけど思うように良くなりません」
こんなお悩みの人が当院は多く来られます。
今回はこんな症状の原因となる血虚について解説します。
血虚(けっきょ)とは
血(栄養)とは
- 食事から得られた栄養
- 体内で作られたホルモンやたんぱく質
- 呼吸で取り入れた酸素
などです。
そのため血虚とはいっても種類がありますが、血虚は主に心血虚と肝血虚の二種類です。
偏食によって栄養バランスが偏っている場合もあれば、内臓の機能が低下したことでホルモンやたんぱく質などが作られなくなった場合もあります。
また自律神経の乱れなどにより呼吸が浅く酸欠状態になっている場合も血虚と呼びます。
血虚とは血(栄養)が不足した状態です。
そして血(栄養)を消耗する割合は、
- 骨格筋 20%
- 脳 21%
- 肝臓 20%
- 心臓 9%
- 腎臓 8%
と脳や肝臓での血(栄養)の消耗は全身の筋肉と同程度となります。
血虚になるという事は、
- 血(栄養)の補給が不足している
- 血(栄養)の消費が多い
のいずれかの原因が考えられます。
血(栄養)の補給が不足している場合には、食事が偏っていて栄養不足が考えられます。
さらに血(栄養)の吸収が悪い気虚(ききょ)の状態が考えられます。
気虚だと胃腸が弱いので思うように食べた栄養を吸収できません。
血(栄養)の消費が激しい場合には、血(栄養)の割合が多い脳や肝臓、骨格筋の使い過ぎが考えられます。
血虚を解消するためには
血虚の主な原因には脳や肝臓、骨格筋などの使い過ぎが原因となります。
クヨクヨと思い悩む時間が長いと脳での血(栄養)の消費が大きくなります。
脳の中でも思考を司る大脳新皮質の部分は神志(しんし)と呼ばれ心血が担当します。
そのため思い悩むことは心血虚(しんけっきょ)の原因となります。
疲れが抜けないほどの運動をしていると骨格筋での血(栄養)の消費が過剰になり筋肉が痙攣します。
肝臓が原因となる場合には、肝臓が分解する脂質やアルコールが過剰な人が目立ちます。
また肝臓に蓄えられている肝血が不足すると情志(じょうし)が失調し肝血虚(かんけっきょ)となり、喜怒哀楽のコントロールが出来ずに情緒が不安定となります。
ですが昔から身体が弱い人が運動のし過ぎや暴飲暴食で血虚になることは稀だと言えます。
見た目から弱々しい印象で貧血気味の人が血虚の場合は、脳の使い過ぎで血(栄養)の消費が激しいと言えます。
また血(栄養)の吸収率が低い胃腸虚弱の人は子供の時から血虚の症状が出ます。
大人になってからは、普段から悩むことが多いと血虚になりやすくなります。
そんな人は身体を適度に動かすことで脳に血(栄養)が集中しないようにしましょう。
悩むという行為は血(栄養)が必要なので、骨格筋に血(栄養)がいくと深くは悩めません。
そして運動をすることで睡眠の質が高まり血(栄養)が充実しやすくなります。
スポーツマンがクヨクヨしづらいのは、運動によって血(栄養)を適度に消費して脳で消費する血(栄養)が余っていないからなのです。
さらに不足した血(栄養)を補うために食欲がわき、食べた分だけグッスリと寝ることで血(栄養)を充実させています。
血虚にならないようにするには血(栄養)の消費を減らすだけでなく運動で血(栄養)を適度に消費することがポイントです。
悩み過ぎると血(栄養)が消費されますが、悩まないというのは難しいのでそんな時ほど身体を動かすのが適切な対処です。
ホルモンの減少
東洋医学の血(栄養)にはホルモンも含まれます。
40歳からはホルモンの減少も顕著になります。
40歳から減少するのは
などです。
これらのホルモンが減少することで身体の回復力が著しく低下します。
メラトニンが減少すると睡眠が浅くなり、浅い睡眠だと成長ホルモンが十分に分泌されません。
成長ホルモンの分泌が不十分だと寝ても身体が回復しません。
これらのホルモンの減少を食い止めるためには、まずは朝から太陽光を浴びて身体を動かして深呼吸をすることが大切です。
すると睡眠の質を高めるメラトニンの分泌が高まります。
メラトニンの分泌が高まれば成長ホルモンと性ホルモンは分泌されやすくなります。
だからメラトニンの分泌を増やす朝からの運動は大切なのです。
朝のウォーキングなどの運動は交感神経を刺激して身体を目覚めさせ、夕方から夜は筋トレなどの運動に適した時間となります。
まとめ
血虚とは体質であり性格の問題になります。
性格を変えるのは難しいので、日々の習慣を変えましょう。
まずは身体を動かすことで気(代謝)を高めると血虚は解消されます。