食べ終わったらお腹がポッコリするのはなぜ?
胃下垂ってなんだ??
胃下垂とは胃が垂れ下がる現象です。
この胃下垂は先天的な問題だけでなく日常生活によっても起こります。
今回は、そんな胃下垂について解説します。
胃下垂とは
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも垂れ下がっている状態です。
重症な症状だと骨盤の位置まで胃が落ち込むと言われています。
胃下垂は個人差が大きく、胃の状態に関わらず訴える症状は様々です。
また胃下垂とは言っても、胃もたれによって食事が多く食べられない人もいればテレビで見るような大食いが出来るような無症状の人もいます。
主な胃下垂による症状としては、
- お腹の膨満感
- 食後の腹痛
- 食後のむかつき
- 食欲不振
- 吐き気やげっぷ
などが挙げられます。
原因としては胃を支える筋肉や内臓脂肪の不足が挙げられます。
先天的な場合が多く見られますが、後天的な要因としては暴飲暴食や過労、ストレスなどによる内臓への負担の大きさが考えられています。
症状が無ければ問題視されないのが胃下垂の特徴です。
咀嚼と胃の関係
昔からよく噛んで食べることは重要視されてきました。
よく噛めば消化を促して栄養の吸収もスムーズになるからです。
逆に咀嚼が不十分だと、
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- 難聴
などの原因になると考えられています。
咀嚼は唾液と食べ物を混ぜ合わせて細かくする作業です。
ですが細かくしたり飲み込みやすくすることだけが目的ではありません。
もし日々の食事を全て流動食などにすると全身に様々な機能不全が現れます。
咀嚼するという運動は顎や口腔、顔面にある感覚神経を通して脳に多くの刺激を与えています。
これらの咀嚼による刺激は脳の大脳皮質だけでなく、記憶や情動の形成にも関与する視床下部や大脳辺縁系などにも関与することが分かっています。
さらに咀嚼することで唾液の分泌が促され、
- 血管拡張
- 神経成長
などの唾液が持つ作用によって自律神経が整えられます。
そのため普段から咀嚼することが少なく唾液の分泌が不足すると自律神経の機能が低下しやすくなるのです。
この咀嚼による身体への影響はスポーツのパフォーマンスを高めるのにも有効だと証明されています。
加齢による胃もたれ
加齢は食欲にも影響します。
食欲が低下する原因には気(代謝)の低下があり、下がった気(代謝)の分だけ消化能力も低下します。
結果として量が食べられなくなるのです。
年齢とともに油ものがもたれるという経験は多くの人が感じます。
油に含まれる脂質は、炭水化物やたんぱく質と違って胃では消化できません。
そのため脂質は胃を抜けて十二指腸に送られ、脂肪を分解する胆汁の力で消化されます。
胆汁は肝臓で作られますが、肝臓は加齢の影響を受けやすい臓器です。
年齢とともに油ものがもたれるのは肝臓からの胆汁の分泌量が減るからなのです。
胃には小腸で一度に分解できない脂質を一時的に溜める機能がありますが、脂質が大量に胃に停滞すると胃は動けなくなり胃もたれを感じるようになるのです。
また、胃に食物が停滞した状態では過剰に胃酸が分泌され逆流しやすくなります。
胸焼けやげっぷを起こす逆流性食道炎は分泌されすぎた胃酸が原因なのです。
噛む力や飲み込む力も加齢によって衰えます。
十分に細かく砕かれなかった食物は胃に停滞しやすくなるので、普段から十分な咀嚼を心がける事も重要です。
まとめ
胃の状態を良好に保つには食事の摂り方が重要です。
また咀嚼を心がければ身体に嬉しい効果が多くあります。
胃は加齢に伴い弱るので、60歳を超えたら特に咀嚼を意識しましょう。