腎機能が落ちている。
頻尿で困る。
身体は年とともに弱っていきます。
加齢によって身体が弱る現象が老化と呼ばれ、東洋医学では腎虚と呼びます。
今回は腎虚の中でも身体の冷えの原因となる腎気虚について解説します。
腎気虚とは
腎気虚は、気の作用の中でも固摂作用が低下した状態で泌尿生殖器系の不調が現れます。
固摂作用は臓器の位置を保持したり精液や体液が漏れるのを防ぎますが、固摂作用が低下すると頻尿や早漏、ED(勃起不全)などの症状が現れます。
この腎の気は年を重ねるほどに弱りますが、性交過多の人は若い時から弱ります。
腎気虚が悪化すると腎陽虚も伴います。
腎陽虚とは、気(代謝)の温煦作用(おんくさよう)の低下により体温の維持が困難になった状態です。
特に大腰筋の筋力低下が起こると骨盤内の血流が悪くなり冷えやすくなります。
先天的に虚弱な人は気(代謝)の温煦作用が低いために冷え性になります。
また年を重ねて身体が弱ったり、慢性的な病気にかかったりすると腎陽虚になりやすくなります。
そして腎陽虚は他の臓器にも悪影響し、脾腎陽虚や肺腎陽虚、心腎陽虚など内臓の冷えを起こすのです。
甲状腺機能低下症や下垂体機能低下症、慢性腎炎などで腎陽虚は起こりやすくなります。
腎気虚を解消するには
腎気虚は長期間の過労や性交過多などもきっかけで起こりますが、一番の要因は加齢による体力の低下です。
加齢により起こる
- 目まい
- 耳鳴
- 腰や膝の筋力低下
- 夜間頻尿
- 性機能減退
などは腎気虚の症状と考えられています。
腎の気が不足するとことと体内の水分代謝が悪くなります。
そのため腎機能の低下は乾燥肌の痒みや湿疹などの原因にもなるのです
身体を冷やすと腎気虚が悪化して腎陽虚になりやすくなるので、普段から身体を温めておくことが大切です。
薬膳から見ると補腎健脾や補気の食材を選びます。
補腎健脾とは腎の気を高めると同時に脾(すい臓)の機能も高める作用です。
脾の機能を高めると水分代謝が良くなり腎の気も高まりやすくなります。
そんな補腎健脾の食材には栗やブロッコリー、山芋などがあります。
特に栗は五果に数えられ、冬の寒さで弱った腎を元気にする食材です。
そして補気補腎の効果で身体を温め、冬の寒さを乗り越えるのにぴったりなのは豚肉になります。
まとめ
腎気虚は加齢とともに現れ泌尿生殖器が衰えます。
腎気虚が腎陽虚になると身体の冷えも顕著になります。
そんな腎気虚などを解消するのは身体を温めることが基本となります。