[kaiwa1]老化によって増えるのが脊柱管狭窄症です。
脊柱管狭窄症は50歳くらいからは誰にでも起こると言われます。
ですが症状が悪化するかどうかは身体の状態に左右されます。
今回は脊柱管狭窄症が起こる原因について解説します[/kaiwa1]
脊柱管(せきちゅうかん)とは
背中にある背骨は複数の骨が積み重なって出来ています。
背骨を作る骨の一つずつを椎骨と呼び背骨は脊椎とも呼ばれます。
椎骨には穴があるドーナツ型の形状をしていて複数の椎骨が重なって背骨を作っています。
首の椎骨は頚椎と呼ばれ7個あり胸の骨は胸椎で12個あり、腰の骨なら腰椎で5個あります。
脊柱管とは椎骨の穴が連なってできたトンネル状の管のことです。
管の中には脳から続く脊髄神経が収まっていて脳脊髄液で満たされています。
脳脊髄液は透明な液体で、タンパク質や糖質を含み中枢神経を保護しています。
脊髄神経は腰椎部では馬尾神経や神経根になっています。
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは
脊柱管狭窄症が起こる原因としてはとは、
- 靭帯が分厚くなる
- 椎間板が突出する
- 椎骨が変形する
などです。
いずれの原因にしても脊髄神経が圧迫されることで現れる症状を脊柱管狭窄症と呼んでいます。
骨や靭帯の変化は加齢によって起こるので、高齢者になるとほとんどの人が多少は脊柱管狭窄症になっています。
脊柱管狭窄症は頚椎や腰椎に発症することが多い疾患です。
頚椎に生じた場合には首の痛みや手のシビレが現れるので普段の生活に支障をきたすことが増えてきます。
また、腰椎の脊柱管狭窄症では、腰から下のシビレや痛みが出現します。
歩いているとお尻や足に痛みやシビレを感じ、少し休むと楽になって再び歩けたりするのは間欠跛行(かんけつはこう)と呼ばれる症状で脊柱管狭窄症に特徴的な症状です。
人間を含めた脊椎動物の神経系は中枢神経系(脳と脊髄)と末梢神経系(中枢神経から伸びた神経)に区分されます。
末梢神経系は全身の器官や組織を支配する神経で自律神経も含みます。
ちなみに脳から伸び出る末梢神経は脳神経と呼ばれ12種類あります。
末梢神経には
- 自律神経
- 感覚神経
- 運動神経
などに分かれます。
四肢と体幹に分布する神経のほとんどは末梢神経である脊髄神経ですが、脳神経の一つである迷走神経が胸腹部の内臓を支配しています。
脊柱管狭窄症は運動や感覚を司る脊髄神経が圧迫されることで、手足の感覚や運動能力に問題が起きるのです。
脊柱管狭窄症の症状
肩こりなどの症状は脊椎から影響を受けています。
人間の脊椎は前後にS状カーブとなりバランスを取っていることが理想です。
ですが最近ではパソコンやスマホなどが原因でS状カーブが崩れて脊椎を支える筋肉に過度な負担がかかっている人が多くいます。
パソコンやスマホなどの覗き込む姿勢でS状カーブが崩れると、本来なら軽くカーブを描く頚椎がストレートになってしまいます。
頚椎がストレートになった状態はストレートネックと呼ばれ、首の筋肉に大きな負担がかかり血流の流れやリンパ、脳脊髄液の流れが悪くなってしまいます。
結果として頭痛やめまい、耳鳴りなどの原因にもなります。
頚椎の中を通る脊髄からは自律神経である交感神経と副交感神経が出ています。
交感神経とは活発な状態で働き、副交感神経は安静な状況で働きます。
そのバランスは体内で自動的に調整をしていますが、肩こりなどで頚椎の動きが制限されているとバランス機能が乱れやすくなります。
自律神経失調症はこういった頚椎の動きの悪さがきっかけとなる事も多くあります。
そのため肩こりを解消することで自律神経失調症が解消される人も多くいます。
具体的には頸椎1~5と仙骨からは副交感神経が出ており、頸椎6~腰椎5からは交感神経が出ています。
そのため頚椎の動きが悪いと副交感神経の働きが低下し、胸椎や腰椎の動きが悪いと交感神経の働きが低下する傾向にあります。
さらに足だけでなく手の痛みや痺れも起こりやすくなります。
東洋医学から見た脊柱管狭窄症
東洋医学には不通則痛という言葉があり、「通ぜざれば則ち痛む」と訳します。
これは気血津液のいずれかに滞りがあると、痛みが生じるという考え方です。
痺れや痛みは神経が圧迫されることが原因だと考えられていますが、東洋医学では神経が圧迫されていることだけが原因とは考えません。
実際にヘルニアや狭窄症があったとしても全ての人が痛むわけでは無いからです。
あくまでヘルニアや狭窄症はきっかけであって根本的な原因ではありません。
東洋医学から見れば、脊柱管狭窄症に限らず気血津液が滞っている人にはシビレや痛みが現れるのです。
その中でも強い痺れや痛みの原因となるのが瘀血(おけつ)です。
瘀血とは血液の滞りで、瘀血が起こっている所には炎症が起こりやすくなります。
炎症が起こった結果として痺れや痛みを感じやすくなるのです。
瘀血により血行不良が起きれば酸素や栄養が不足し、老廃物はどんどんと溜まっていきます。
するとさらに強い瘀血の原因となり症状がどんどんと悪化しているのです。
ここでポイントとなるのが瘀血が起こりやすい人の特徴です。
瘀血は突然に起こる訳でなく、体質的に津液(水分)の滞りが起こりやすい痰湿(たんしつ)の人が多く見られます。
又は生活習慣の悪さから後天的に瘀血を起こしている場合です。
体質的に痰湿から瘀血を起こす人は胃弱の人が多く、普段からむくみやすく冷えやすいのが特徴です。
この体質の人はまず身体を温めて津液の流れを良くすることが必須です。
また瘀血を起こしやすい生活習慣は、
- 水分不足
- 睡眠不足
- 運動不足
など様々なものが不足しています。
さらに味の濃い物を好んで食べていると瘀血はさらに加速します。
塩分などが過剰になると身体がむくみ血管が圧迫されます。
そのため水分不足でなくても瘀血が起こりやすくなります。
瘀血を解消する基本は薄味とたっぷりの水分に運動になります。
[kaiwa1]脊柱管狭窄症は加齢によって誰にでも起こります。
ですが痛みや痺れの症状は身体の状態に左右されます。
痛みや痺れの決め手となるのが瘀血なので、いかに瘀血を解消するかが重要です[/kaiwa1]