東洋医学から見た小腸という内臓

小腸は現代医学でも完全に分かっていない内臓の一つです。

小腸は暗黒の臓器と呼ばれるくらいに様々な機能を有しています。

今回は、そんな小腸を西洋と東洋医学の両面から解説します

 

小腸とは

小腸は空腸(くうちょう)と回腸(かいちょう)に加えて十二指腸までの部分を指します。

胃で消化された食べ物をさらに分解し栄養素を吸収する働きをしており約6メートルほどあります。

小腸の粘膜には、腸絨毛という無数の突起があり、より多くの栄養素を効率的に吸収できるようになっています。

吸収するのは水と五大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル)などです

また身体の免疫の50%は小腸に集まっています。

消化は胃でも行われますが、胃では吸収は行われません。

また胃での消化は酸性だけなので不完全ですが、膵臓から出たアルカリ性の消化液が小腸で混じることで消化が完了します

どちらが欠けても消化不良を起こします。

消化不良の状態では、身体は十分な血(栄養)を吸収できません。

そして小腸でもう一つ重要なのが免疫システムです。

 

小腸の免疫システム

小腸にはパイエル板という組織が存在し、パイエル板にあるM細胞という免疫細胞が異物を発見すると樹状細胞に情報を伝達します。

すると樹状細胞から異物を攻撃するキラーT細胞と免疫の指令役であるヘルパーT細胞に異物の情報が伝わり、抗体をつくりだす役割のあるB細胞が活動を始めます。

B細胞が作った抗体が異物を攻撃するのです。

これらの免疫システムをコントロールしやすいのが善玉菌優位の腸内環境と言われます

抗体の一つであるIgAは、他の抗体に比べて抗原に対する特異性が低いため様々な病原体に対応することができます。

そしてIgAは全身の粘膜で病原体の侵入を防ぐ役割を果たし、IgAの産生を増強するのが短鎖脂肪酸です。

そのため短鎖脂肪酸は抗体を作るうえでも重要な成分です。

短鎖脂肪酸は大腸で食物繊維やオリゴ糖が腸内細菌に分解されることで生成され、大腸の蠕動運動も促す成分です

 

小腸での吸収

小腸では、多くのミネラルも吸収します。

主に、

  • Na(ナトリウム)
  • K(カリウム)
  • Ca(カルシウム)
  • Mg(マグネシウム)

などは小腸から大腸にかけて吸収されます。

これらのミネラルは浸透圧の調節に重要な役割を果たします

そのため小腸でのミネラルの吸収量が低下すると身体の浸透圧が崩れます。

水分を摂取しても浸透圧が体液以下でなければ小腸で吸収されません。

そのため体液より浸透圧の高い飲料は吸収する前に消化液等で浸透圧を調節してから吸収されます

ちなみにポカリスエットやアクエリアスなどのスポーツドリンクは体液と同じ浸透圧なので胃酸などと混ざる事で吸収されます。

そのため、小腸の機能が低下している人はミネラル不足に陥りやすいと言えますね。

 

小腸で分泌されるセロトニン

セロトニンは副交感神経を優位にするホルモンであり、同時に小腸での蠕動運動を促す物質です。

セロトニンの材料は

  • トリプトファン
  • ビタミンB6
  • ナイアシン
  • マグネシウム

などになります。

セロトニンは脳と小腸の二か所で作られますが、小腸での産生量の方が多くなります

ただし脳でのセロトニンは副交感神経のみに作用するので、厳密には全く同じ働きをしているとは言えません。

このセロトニンが不足すると、

  • 睡眠障害
  • うつ状態
  • 不安感

などが引き起こされます。

セロトニンは魚やレバーに多くビタミンB6は腸内細菌によって作られます。

ニンニクや唐辛子にも多いのでペペロンチーノはセロトニンを作りやすくなります

マグネシウムは煮干しやジャコに含まれます。

アミノ酸のグルタミン酸をエネルギー源として利用します

 

あまり知られていない東洋医学の小腸

精(栄養素)と濁(カス)に分け、精を吸収し濁は大腸に送られます。

吸収された栄養は血(栄養)となり心臓へ送られます。

小腸は血(栄養)を心臓に送り心(しん)を支えます。

そして心臓は小腸の働きで自律神経によってコントロールされます。

小腸で吸収する脂質の量が過剰だと、リンパの流れが悪化して心臓の負担となります

結果として、心臓への負担が増えると自律神経が乱れやすくなります。

また楽しい事でも過ぎると交感神経が優位となり小腸の働きを抑制します。

小腸実熱

脂質過剰だと小腸の負担が大きくなり、小腸に熱がこもるようになり尿に変化が出ます

膀胱炎の症状に似ていますが、

  • 尿が黄色く
  • 臭く
  • 排尿痛

などを伴います。

また小腸の負担が大きくなると交感神経が優位になり、精神的にイライラしやすくなりうつ症状を伴いやすくなります。

 

腸は第二の脳

脳と腸は脳腸相関と呼ばれる自律神経のネットワークがあります。

なぜなら脳と腸は発生過程で同じ神経管から生まれた器官だからです。

そのため小腸は栄養を消化吸収する傍らで自律神経の動きを敏感に感じ取ります。

また腸と脳の神経構造は似ていて自律神経の影響を敏感に受けることから腸は第二の脳と呼ばれているのです。

副交感神経を刺激する神経伝達物質の一つであるセロトニンの90%は腸に存在します。

このセロトニンは小腸の蠕動運動を促します。

またストレスが強いと身体はバランスをとろうとセロトニンを過剰に分泌し、腸の蠕動運動が活発になり過ぎ腹痛や下痢などの過敏性腸症候群の原因となります

ですが強いストレスが慢性的になるとセロトニンが出なくなり、交感神経が優位になって小腸の蠕動運動は抑制されます。

ストレスによって小腸の蠕動運動が抑制されて便秘になる事をストレス性便秘と呼びます。

また東洋医学ではストレス性便秘を気滞(きたい)の状態と考えています。

 

小腸は縁の下の力持ち

小腸は目立ちませんが様々な仕事をしています。

特に小腸で吸収した脂質は心臓を助け自律神経を整えています。

自律神経が乱れやすい人は小腸から整えることも大切です。

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