どうして大人になるにつれて食べられる量が減るか知っていますか?
「子供の時はどんなに食べても胃もたれしなかったのに、、」
そう思いながら胃もたれや腹痛に悩まされている人は多くいます。
今回の話を聞けば大人になるにつれて食欲が落ちる原因や、健康に食べるための方法が分かります。
本日も東洋医学が大好きな鍼灸あん摩マッサージ指圧師の福原がお送りします。
加齢による胃の変化
年齢とともに胃は徐々に変化していき、加齢に伴い血流量が減少する事で胃の粘膜が萎縮して胃酸分泌が低下します。
胃酸の分泌が低下すると病原体への抵抗力が低下したり、鉄やビタミンの吸収能力も同様に低下します。
さらに胃の弾力性が低下する事で大量の食べ物を溜めておくことが出来なくなるために、一度に食べられる量が減少するのです。
また、胃の蠕動運動が弱ってくると小腸に食べ物を送る力が弱くなるので、胃もたれや逆流性食道炎の原因ともなります。
他にも加齢に伴い噛む力が衰えるために咀嚼が不十分となり、胃の負担が増えて消化不良が起こりやすくなります。
原因がハッキリしない胃もたれや胸やけなどの症状を訴える機能性ディスペプシアに悩む人は年齢とともに増加し、今では50代以上の3 人に 1 人が悩まされる国民病とも言われています。
東洋医学の脾とは
東洋医学では胃だけに注目する事はせずに、膵臓や十二指腸などの消化に携わる臓器をまとめて脾(ひ)と呼んでいます。
そもそも胃が弱る原因には、胃の次にある十二指腸で渋滞が起こる影響があり膵臓からのホルモンも減少するからです。
膵臓は加齢とともに消化力は弱りませんが、重さが減少したり細胞が硬くなることで酵素やホルモンの分泌量が減少します。
膵臓のホルモンの分泌量が減少すると喉が渇きやすくなったり頻尿になったりと、軽度の低下であっても糖尿病の症状が現れます。
さらに十二指腸には胆汁も分泌されて脂質の消化を助けているので、肝臓の機能低下による胆汁の不足も機能性ディスペプシアの隠れた原因となります。
そのため、東洋医学の薬膳では胃だけに効果のある物を勧めるのではなく、消化に関わる全ての臓器を元気にするように考えられています。
機能性ディスペプシアの薬膳
東洋医学では胃や膵臓などの消化器系が弱った状態は脾気虚と呼ばれ、消化不良を起こし腹痛や下痢となる機能性ディスペプシアの原因と考えています。
脾気虚には胃腸と膵臓に胆汁の作用なども含まれ、脾気虚を解消する作用を持つのが補気健脾(ほきけんひ)と呼ばれる食材です。
これらの食材を普段から食べる事に加えて、よく噛んで消化を助けることが基本になります。
具体的には白米やイモ類などの炭水化物にイワシやサバなどの青魚に枝豆などの豆類があり、さらに消化を助けるキャベツや大根などを合わせて食べる事で消化器系の負担を減らせます。
また、断食は一番の消化薬と言われるように食欲が無い時には無理に食べずに、胃を休める時間を作ることも大切です。
基本的には食事と食事の間を長くする事は消化器系を休める事につながるので、夜の食事は早めにして大食いは控えることが機能性ディスペプシアの予防につながります。
まとめ
胃は加齢に伴い粘膜が萎縮すると消化力や貯蔵量が減少します。
東洋医学では胃だけを考えるのではなく消化器系を脾としてまとめて考えています。
大切なのは脾を元気にする食材をとりながら空腹の時間を作って胃を休める事です。
⇒機能性ディスペプシアからの解放!大阪市北区で東洋医学の整体が受けられます