「外出するとつまずきやすい」
「知人が転倒したので怖い」
「外に出るのが怖くなってきた、、」
年を重ねて最も怖いのは転倒による骨折です。
最近では若くても転倒をする人が増えています。
普段から段差につまずいたり歩くのが遅い人は下腿三頭筋が弱っています。
今回は、そんな下腿三頭筋について解説します。
下腿三頭筋とは
下腿三頭筋は膝から足関節までに付着する筋肉で、ふくらはぎとも呼ばれる下腿三頭筋はヒラメ筋と腓腹筋の二つからなります。
腓腹筋は膝より上の骨から始まってアキレス腱に着くのに対して、ヒラメ筋は膝より下から始まってアキレス腱に付着しています。
そのため腓腹筋は膝の動きにも関わりますが、ヒラメ筋は足関節の伸展のみに関わります。
さらに筋の性質にも違いがあり、腓腹筋は筋を強く速く収縮させる速筋群の割合が多いのに対して、ヒラメ筋はゆっくり収縮する遅筋群の割合が多くなっています。
一般的に速筋は強い力を発揮しますが持久力は無く、遅筋は力は弱くても持久力に優れるといった特徴があります。
そのため立ち姿勢を維持しているのは主にヒラメ筋です。
膝を伸ばしたまま踵上げを行うと腓腹筋のトレーニングになり、膝を曲げた状態で行うとヒラメ筋のトレーニングになります。
また、膝を伸ばしてアキレス腱を伸ばすと主に腓腹筋が伸張し、膝を曲げままならヒラメ筋だけのストレッチになります。
下腿三頭筋の役割
下腿三頭筋は歩行の際にも重要な役割を果たしています。
腓腹筋は膝の屈曲にも関わるので、地面を蹴り出す際に膝を曲げる働きもあります。
そのため腓腹筋が働く事で大腿直筋にも刺激が入り膝関節の安定が保たれます。
そのため、腓腹筋の筋力低下は大腿直筋の機能も低下させるので、中殿筋の負担が増えてしまいます。
また、ヒラメ筋の筋力低下は腓腹筋の負担を増やし大腿直筋の緊張も強くします。
結果として腓腹筋の反応は大腿直筋を通して股関節の屈曲も促しています。
結果として下腿三頭筋の機能が低下してしまうと、
下腿三頭筋の筋力低下を起すと、歩く速度が遅くなりつま先が地面や段差に引っかかりやすくなります。
普段から歩く事が少ないと下腿三頭筋が短縮してしまい足関節の動きも悪くなります。
そのため転倒の予防も含めて、下腿三頭筋の機能を正常に維持することは日常生活で大切です。
下腿三頭筋の筋ポンプ作用
下腿三頭筋には血流を良くして、むくみを解消する筋ポンプ作用があります。
筋ポンプ作用が機能していると足のむくみを解消して全身の血流もアップします。
ですが下腿三頭筋の動きが悪いと心臓の負担となります。
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、心臓の負担を減らすのに有効です。
足の先の方は心臓から遠いため血液の循環が悪くなりやすい傾向がありますが、下腿三頭筋がポンプの役割を果たすことで心臓へ血液を送り返す働きをしています。
足首を上下に動かすだけでも下腿三頭筋は収縮し血液の循環を高めます
もっと下腿三頭筋のポンプ作用を高めるには踵上げ運動が効果的です。
両足を地面に付け、踵を上げる運動を繰り返します。
その際に、
- 踵をできるだけ大きく上げる
- 踵を下ろすときはゆっくりと下ろす
ことを意識します。
ゆっくり、じっくりと運動を行うことで効果が倍増します。
まとめ
下腿三頭筋を鍛えると歩行が安定します。
普段からつまずきやすい人はしっかりと下腿三頭筋を鍛えましょう。
下腿三頭筋が鍛えられると姿勢も良くなります。