気とは何なのか?
漠然としたイメージだけがある。
東洋医学の気とは色々な作用を持っています。
気は概念で、いくつかの種類に分けられています。
今回は、いくつかある気の種類について解説します。
気の種類
東洋医学の気は概念なので、様々な種類と作用があります。
主な気の種類は、
- 宗気(そうき)
- 営気(えいき)
- 衛気(えき)
- 元気(げんき)
などがあります。
気が持っている作用は、これらの気が別々に持っているとされています。
気の作用には
などがあります。
各々の気が様々な作用を有しています。
気の作用
宗気は推動作用が強く、主に呼吸を行ったり血を身体中に巡らします。
身体を動かしたり、物を見たり聞いたりする身体の働きを担っています。
宗気は飲食物から得られる水穀の精微と、呼吸によって得られる自然界の清気が合わさってできる気で心肺の活動を支えています。
そのため宗気が十分なら呼吸は深くなり心拍も安定しますが、宗気が不足すると呼吸は浅く声が小さくなり脈が弱くなります。
営気とは身体を栄養する気であり、十二経脈に沿って流れています。
営気も飲食物から作られるので、営気が充実するかどうかは日々の食生活にかかっています。
また営気は津液の分泌を促し関節を潤し、血に変化して五臓六腑を栄養する大切な気となります。
気が血や津液を作り出す作用は気化作用と呼ばれます。
衛気も飲食物から作られ、澄んだものは営気となり澄んでいないものは衛気となると考えられています。
そして営気は経脈の中を通り衛気は経脈の外を通るとありますが、営気と衛気を統称して経脈という場合もあるのです。
衛気は体表をめぐり体表の温度調節につとめ、汗腺を調節しています。
そのため皮膚にシワが出来る時は衛気が不十分奈状態で、肌がスベスベしている時には衛気が満ちていると考えられます。
また衛気は免疫力の高さを左右する防御作用を備えています。
最後に東洋医学の元気とは、人の生命を維持するエネルギーと捉えています。
そのため元気が不足すれば疲れやすく病気になりやくなり、元気が消耗しきったら死ぬと考えていました。
そんな元気は下腹の丹田(たんでん)に蓄えられているとされ、成長発育のエネルギー源となります。
丹田を刺激して元気をしっかりと蓄えられれば、活力のある毎日を過ごせると考えられています。
丹田を刺激するのは深い呼吸で、丹田呼吸と呼ばれます。
東洋医学では、他にも治癒力となる正気(せいき)や経脈を流れる気を経気(けいき)と呼んだりします。
また臓腑ごとに存在して臓腑をコントロールする気は、臓腑の気と呼んで区別しています。
これらの気の作用が低下した状態は気虚(ききょ)と呼ばれ、とれない疲れや集中力がなくなる原因となっています。
まとめ
気という概念は色々な意味を含みます。
ややこしいようですが、身体を広く見ることで現代医学では分からない症状も分類しやすくなります。
大切なのは、身体の状態を理解することです。