不調は自律神経の乱れと言われた。
自律神経を整える方法は色々ある。
どれが効果的なんだろう?
自律神経には多くの機能があり様々な部位をコントロールしています。
その中でも皮膚が自律神経に与える影響は大きいと言えます。
今回は皮膚と自律神経について解説します。
自律神経とは
自律神経とは、自分の意思で動かせない内臓までコントロールできる神経です。
また、普段から意識しなくても立っていたり歩いたりと行動できるのも自律神経のおかげです。
身体の指先をコントロールする末梢神経も自律神経に含まれ、筋肉を動かしたり血流をコントロールしたりしています。
そして健康とは、自律神経が正常に働いて、末端の細胞も含めて全ての細胞に隅々まで質のいい血液をしっかり流せる状態です。
身体の末端である指先の血流が悪いと自律神経は乱れやすくなります。
指先などの身体の末端の血流が悪くなる原因にストレスも関係します。
自律神経はストレスが溜まると乱れやすいと言われますが、ストレスが溜まりやすい状態にあるのが問題なのです。
ストレスが溜まりやすい人とそうでない人では身体の状態が違います。
だからストレスの発散も大切ですが、ストレスが溜まりにくい身体を作る事も大切なのです。
交感神経が優位に働くと、
- 心拍数と心収縮力は増加
- 血管は収縮
- 胃腸の動きは低下
- 膀胱は弛緩
などの作用が現れます。
逆に副交感神経が優位に働くと、心拍数と心収縮力は低下し血管は弛緩、胃腸の動きは亢進、膀胱は収縮するなど真逆の作用が現れます。
またストレスを受けると交感神経が優位に働きます。
ストレスにより交感神経が優位になると白血球の顆粒球が増加します。
すると顆粒球が産生した活性酸素が増えて、身体の組織が傷害されて生活習慣病やガンにかかりやすくなります。
老化を促進する主な原因も活性酸素です。
そのため癌や生活習慣病を予防して老化しにくい身体を作るには、副交感神経が優位な状況を維持することが大切となります。
基本的には日中でも意識して副交感神経を刺激してリラックスすることが必要なのです。
皮膚と自律神経
人間の皮膚には様々な機能があります。
皮膚にはアドレナリンなどの脳内物質を感じとる受容体があり、様々な感情を作り出す役割も担っています。
撫でられると心が落ち着くのは皮膚が持つ機能の一つです。
そもそも皮膚には
- 身体を一定に保つ防御機能
- 状況の変化を感知する感覚機能
などの役割があります。
皮膚は身体からの体液の流出を防ぎながら、体外からの異物の侵入を防いでいます。
それでいて身体が熱を持った時には汗だけを選択的に出すという高度な機能を備えています。
雰囲気を肌で感じるという言葉通りに、肌は物に振れているという触感だけでなく湿度や温度、緊張感などまで感じ取る鋭い機能も持っています。
これらの機能は自律神経の影響で可能となっており、多くの機能を有することから第三の脳と呼ぶ人もいます。
そして皮膚が精神に与える影響は大きいことが分かっています。
ちなみに女の直感と呼ばれる物は皮膚で感じているのではないかという説もあります。
人間の皮膚には、
- セロトニン
- ドーパミン
- アドレナリン
などの自律神経を左右する脳内物質を受け取る受容体があります。
そのため自律神経を整えるのには皮膚への刺激が有効だと言えるのです。
自律神経を整える整膚(せいふ)とは
整膚とは皮膚をつまんで状態を整える方法です。
東洋医学では2000年前の医学書に皮膚の状態を整える重要性が述べられています。
皮膚を引っ張ると血液やリンパの流れが促進され、感覚神経への刺激も兼ねて健康だけでなく美容にも効果があると認められています。
皮膚には自律神経を左右するホルモンの受容体があることを昔の人は経験的に知っていたのかもしれません。
整膚には、
- 血液やリンパの流れを促進する
- 炎症を早く抑える
- 自律神経のバランスを整える
などの働きがあり、心と体を安定させる作用があるのです。
やり方)
- 首や肩で硬くなっている部分を探します
- 見つけたら大きく皮膚を持ち上げます
- 痛過ぎない程度に持ち上げて3~5秒ほどキープ
それを硬くなっている所で繰り返し行いましょう。
やり過ぎると痛みが残るので、何度も同じところをつまむのは避けましょう。
まとめ
自律神経と皮膚の関係は深いので皮膚を整えるのに整膚は効果的です。
皮膚が第三の脳と呼ばれるのは自律神経を通して精神面にも大きな影響を与えるからです。
精神的な乱れを感じるときには皮膚から調整してみましょう。