胸が痛くて眠れない。
朝方に胸が苦しくて目が覚める。
心臓に持病があれば、薬を飲むのは普通です。
ですが日常的に薬を飲んでいると、副作用も出てきます。
こちらでは心臓への影響が大きい腎臓の話を書いています。
心臓と腎臓の関係
心臓と腎臓はお互いに影響しあっています。
五行の関係から考えると、腎臓が心臓を剋する位置にあります。
この関係は腎臓が心臓を調節し、オーバーヒートを起こさせないようにする見張り役として働くのです。
腎陰が上昇して心陰となり心陽を制御し、心陽は下降して腎陽となり腎陰を気化して上昇させます。
心腎不交とは、腎陰の不足により心火を抑えきれず心が乱れている状態です。
腎の潤いが不足すれば身体は乾燥し、心の陽気が盛んになると身体に熱がこもります。
そのため腎不全が起これば、心臓の見張り役が不在となるので心不全も起こりやすくなります。
腎不全と聞くと塩分ばかりが悪者にされますが、
- 高血糖
- エンドトキシン
- 薬物
なども腎臓を弱らせます。
血糖値が高いと血流が悪くなり、血管が大量に詰まっている腎臓の負担となります。
エンドトキシンは腸内で産生される物質で、少量なら肝臓で無毒化されます。
ですが高脂肪食などが原因で、大量のエンドトキシンが作られると血管などで炎症が起こりやすくなります。
五行の相性関係で見ると腎臓が力を与えるのが肝臓で、肝臓が力を与えるのが心臓となります。
そのため肝臓の機能低下の多くは、心臓への負担を増やし過剰にコレステロールを作ったりします。
心臓をコントロールする腎臓と、心臓に力を与える肝臓のどちらが機能低下しても心臓の負担は増えるのです。
ちなみに急性心不全で入院された患者さんの2~3割が急性腎障害を起こしているというデータもあります。
中でも糖尿病を患っている人は心臓と腎臓の両方が悪くなりやすいので注意が必要です。
心臓の機能が低下すると
心臓の一番の機能は血液を送り出す事です。
血液が無事に送られているかは血圧や脈拍で確認できます。
腎臓は毛細血管が詰まった臓器なので、血液の流れが確保されなければすぐに弱ってしまいます。
そして心臓は他の臓器よりもしっかりと自律神経とホルモンによって守られています。
心臓が病気になっても自律神経とホルモンにより、
- 血圧の維持
- 心筋の強化
- 心拍数の増加
など処置が早急にとられますをすることで生命を維持しています。
これらの処置がとられていれば心臓の機能は守られます。
ですが普段から薬物で心臓を甘やかしていると、いざという時に心臓を守る経路が働きません。
例えば、身体にむくみがあるからと利尿薬を投与したとします。
利尿薬は血管内の余分な水分を減少させるので、心臓の負担は減らせます。
ですが、自力での余分な水分の排泄能力は低下してしまいます。
血圧を下げてくれるACE阻害薬は、心不全の患者さんには極めて重要な薬剤です。
ですが、ACE阻害薬はクレアチニン値を上昇させ腎臓には負担となります。
また血管拡張薬の使用も腎障害を起こす頻度が高かったことが報告されています。
生活習慣
そもそも心臓と腎臓の機能を下げないためには、食べ過ぎや肥満に注意することが基本です。
心臓と腎臓は加齢とともに弱ります。
ですが小食でよく動く人の心臓と腎臓は元気な傾向にあります。
そして薄味を心がけ、塩分の取り過ぎに気をつけることも大切です。
毎日、運動している人は交感神経系ホルモンのカテコールアミンの分泌が少なくなり心臓への負担が軽くなるからです。
とは言っても筋トレなどは、急激に血圧を上げるので気をつけましょう。
大切なのは、毎日外に出てしっかりと歩くことです。
ふくらはぎに刺激が入れば、それだけ水分代謝が良くなり心臓も腎臓も負担が減ります。
心臓も腎臓も重要!
心臓と腎臓は関係が無いように見えて、最も関係が深い内臓です。
心臓に良かれと思って飲んでいる薬で、腎臓の機能低下を招くこともあるので注意しましょう。
また、心不全の原因が腎機能の低下から来る場合もあるので、腎臓も気にして生活するのが大切です。