「頭にモヤがかかったような感じが続く」
「だるさが強くて休日は動けない」
「小さなストレスもこたえる」
こんな症状で悩んでいませんか?
これらの症状は腎機能の低下が原因かもしれません。
こちらでは、腎機能が低下する原因と対処法について書いています。
腎臓による血圧の調節
ストレスは腎臓への血流を低下させることから、腎機能の低下を招くことが分かっています。
そのため強いストレスがかかったり、ストレス状態が長く続くと腎機能は低下します。
腎機能は交感神経に調節されており、ストレスによって交感神経が優位だと毛細血管が収縮したままになります。
交感神経が刺激されると腎臓からレニンが分泌され、アンジオテンシンが生産され血管が収縮して血圧が上昇します。
アンジオテンシンはアルドステロンの分泌を促して塩分を再吸収させカリウムを排泄させるとともに、心血管の再構築を促します。
また心臓も交感神経が優位だと心拍数などを増加させることで血圧を高め、この状態が長く続くことで慢性炎症の原因となり心不全や腎不全の原因となります。
腎臓は身体にとって不要になったインスリンや成長ホルモンなどを処分します。
成長ホルモンが処分されずに過剰になると血糖値が上昇し糖尿病の原因となり、インスリンが過剰になると低血糖を起こして痙攣や意識障害の原因となります。
また腎臓の機能が低下すると多尿や夜間頻尿となったり、自律神経の乱れから体温調節機能が低下して寒がりの暑がりとなります。
こんな腎臓の機能低下を回復させるのは迷走神経の役割です。
迷走神経とは
本来なら身体は副交感神経を優位にする迷走神経が働くことで慢性炎症を抑え心不全や腎不全にはなりません。
迷走神経は心臓神経叢にも分布し、迷走神経を刺激することは腎不全や心不全の改善に役立ち睡眠時無呼吸症候群の解消にも役立つとされています。
この迷走神経は息をこらえるだけでも副交感神経が優位になります。
息をこらえると胸腔内圧が上昇し迷走神経が刺激されるのです。
- 胸腔内圧が上昇すると、心臓に帰ってくる血液量が減少し心拍出量と血圧が低下する
- 心拍出量と血圧の低下により交感神経が興奮する
- 胸腔内圧の上昇を解除すると急激に心拍出量と血圧が上昇する
- 心拍出量と血圧の上昇により迷走神経が刺激されて副交感神経が優位になる
- 副交感神経が優位だと心拍出量と血圧は低下する
これらの順序によって、息を少しこらえてから息を吸うと血圧が低下して腎臓の負担を減らすのです。
心臓から大動脈へと流れる場所には血圧を感知するポイントがあり、そのポイントが刺激されることで副交感神経が優位となり心臓や腎臓の機能を元気にします。
迷走神経を刺激する方法
息を吐き切った後に軽く息を止め、少し苦しくなってから息を吸うと脳内のセロトニンが増えることが分かっています。
病院に行くとセロトニンを増やす薬が出されますが、息を止めるだけでうつの薬を飲むのと同じ効果があるのです。
やり方)
- 3回深呼吸する
- 息を吸ってから息を止める
- 止めた時間だけ休憩する
息を止めるのは1分できれば十分ですが、より深く刺激するには2分ほど止められると効果的です。
ただし、あまり苦しいなら無理をせずに息を止めるようにしてください。
あくまで身体をリラックスさせることが目的なので、苦しすぎない程度で十分な効果が得られます。
まとめ
ストレスが続くと弱るのは腎臓で、腎機能が低下することでさらにストレスに弱くなります。
腎機能の低下は交感神経が優位な状態で起こります。
だから意識して呼吸などで副交感神経を高めることが重要なのです。