年齢とともに姿勢が悪くなってきた。
筋トレをしても姿勢が良くならない。
何でだろう?
そんな悩みはありませんか?
姿勢を維持する筋肉の中でも特に重要なのが腸腰筋です。
腸腰筋の衰えは姿勢の歪みにつながります。
今回は、そんな腸腰筋について解説します。
腸腰筋とは
腸腰筋とは上半身と下半身をつなぐ大きな筋肉で、背骨の腰の辺りから始まる大腰筋と、骨盤の内側の上部から始まる腸骨筋を合わせた名称です。
大腰筋と腸骨筋はどちらも大腿骨の同じ場所に着き、似たような作用を持つことから腸腰筋とまとめて呼ばれています。
腸腰筋の主な作用は股関節の屈曲ですが、インナーマッスルに分類され姿勢の維持にも関わっています。
腸腰筋は姿勢維持筋として背骨をS字状にキープしたり、立ち姿勢を維持する抗重力筋でもあります。
腸腰筋が本来の機能を発揮していると、
- 身体のバランスが良くなる
- よい姿勢をキープしやすい
- 下腹のぽっこりを防ぐ
- 速く走れる
などの効果が期待できます。
また腸腰筋の衰えはギックリ腰の原因となります。
ギックリ腰は姿勢が悪い人ほどなりやすく、姿勢が悪い人ほど腸腰筋の機能は低下しています。
また太ももを上げる筋肉なので、腸腰筋の機能が低下している人はつまずきやすくなります。
腸腰筋の機能をアップするには
まずは腸腰筋の状態を確認しましょう。
- 仰向けで寝ころんで両足を開きます
- この状態で両足を持ち上げてみましょう
もし両足を持ち上げられなかったり、持ち上げられても5秒もキープできない場合は腸腰筋が衰えています。
また歩く際に大股で歩けない人は腸腰筋の衰えを疑います。
インナーマッスルのトレーニングはだいたい40%くらいの力で行うのがよいとされています。
腸腰筋のトレーニングにお勧めなのはレッグレイズとスタンディングニーレイズです。
簡単にやり方を紹介します。
①レッグレイズ
- 仰向けに寝る
- 膝を伸ばしたまま両足を上下させます。
まずは5~10回ほど行ってみましょう。
足を下ろした際に床につけないで続けると効果が上がり、足を下ろす際にゆっくり行うとさらに効果的です。
両足を同時に挙げられない時は片足ずつ行いましょう。
腸腰筋が強くなると蹴り出す力がついて大股で歩けるようになります。
理想の立位姿勢はニュートラルポジションと呼ばれ、腸腰筋はニュートラルポジションを保つために重要な筋肉です。
60歳を超えると円背などの影響により上半身が前方に倒れていることが多く、腸腰筋が働きにくくなり弱っている人が多く見られます。
すると腸腰筋の弱りからさらに姿勢が悪くなって身体は本来の機能を発揮できなくなるのです。
60歳から増えてくる脊柱管狭窄症は、腸腰筋の弱りがきっかけとなって起こる猫背や背骨のS字カーブの消失によって起こります。
また腸腰筋が弱ると姿勢が不安定になるので歩き方が小股になります。
②スタンディングニーレイズ
- 姿勢をまっすぐにして立つ
- 背筋を伸ばして片膝をできるだけ高く持ち上げ3秒キープする
- 上げた脚をゆっくり戻し、逆の足も同様に行います
ポイントは背筋を伸ばすことで、背筋が丸くなると腸腰筋への効果が薄れるので注意しましょう。
最後に高齢者にお勧めな運動には踏み台昇降があります。
昔からあるお馴染みの体操ですが、効果の高さから最近ではまた注目されています。
踏み台昇降は足とお尻の筋肉をメインに使い、高齢者のロコモティブシンドローム予防やリハビリのメニューでもよく使われます。
ロコモティブシンドロームは、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気などによって運動機能が衰え寝たきりになるリスクが高い状態を表す言葉です。
踏み台昇降をすると、太ももの前後の筋肉に加えて臀筋群や腸腰筋、下腿三頭筋まで鍛えられます。
踏み台昇降は5〜10cm程の高さがあれば十分な効果が期待できます。
そのため日々の行動に階段を意識するだけでも腸腰筋は鍛えられます。
余裕があれば膝を高く上げて二段飛ばしで階段を上がればさらに効果が高まります。
まとめ
腸腰筋は姿勢を整えますが加齢で衰えやすい筋肉です。
そのため普段から衰えないように気を付けることが大切です。
基本的には階段の上り下りをしていれば鍛えられます。