食滞は現代人の多くが抱えている症状の一つです。
胃の機能は加齢によって低下するので、年齢を重ねても若い時と同じ食生活だと食滞が起こります。
今日はそんな食滞について解説します。
食滞とは
食滞とは、飲食の不節制によって消化不良が起こり消化管内に食物が停滞した状態を指します。
日々の食事が過ぎれば誰でも食滞を起こす可能性があります。
食滞にも程度があり、
- 軽度なら傷食(しょうしょく)
- 重度なら腸胃積滞(ちょういせきたい)
と呼んでいます。
どちらも食べ過ぎや寝る前の食事などの不摂生が原因となりますが、問題となるのは普通に食事をしていても起こる食滞です。
食事に気を付けていても食滞が起こる人は脾胃虚弱に分類されます。
食滞の原因となる消化不良は、胃寒や胃熱が原因でも起こります。
胃寒と併発している場合だと、食滞の時間が長く朝食べたものを夕方に嘔吐します。
胃熱の場合だと、食べた後にすぐ吐いてしまいます。
飲み過ぎた後の激しく嘔吐してしまう場合は、胃熱と食滞が同時に起こっていると考えます。
また普段から食滞を起こしやすい人は、めまいや寒気を感じやすく涎も増えるのが特徴です。
逆流性食道炎とは
東洋医学から見ると、逆流性食道炎は脾胃(ひい)と表現される消化器官の働きが弱くなることで起こるとされています。
食事の内容物は、食道から胃を通って腸へと順番に運ばれていきます。
ですが、食事の内容物がスムーズに運ばれないと胃の中に食物が停滞することになり胃酸が分泌され続けます。
この食事の内容物が胃で停滞することを東洋医学では食滞(しょくたい)と呼び、逆流性食道炎の原因と考えています。
食滞の多くは消化不良により起こるので、暴飲暴食が続くと悪化しやすくなります。
胃もたれや胸焼け、酸っぱいゲップなどは食滞の代表的な症状です。
この食滞がさらに悪化した状態が逆流性食道炎です。
逆流性食道炎は胃の中で胃液と混ざり合った食べ物や胃液そのものが食道に逆流する病気です。
すると強酸性の胃液によって食道の粘膜が傷つけられます。
逆流性食道炎は下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)の筋力低下も原因の一つです。
下部食道括約筋が弱る大きな原因は老化なので、逆流性食道炎は高齢者の病気と考えられていました。
ですが若くても食道裂孔ヘルニアと呼ばれる病気になると、腹部にあるはずの胃の上部が横隔膜を越えて胸の中へ飛び込み横隔膜による食道の締めつけが弱くなります。
これは呼吸が浅く横隔膜の動きが悪い人に多く見られます。
呼吸が浅い若者の多くは運動不足です。
また腰が曲がった高齢女性にも食道裂肛ヘルニアはよく見られ、猫背の若い人にも含めて姿勢の歪みも原因となります。
姿勢の歪みや運動不足による呼吸の浅さを解消するには腹式呼吸が有効です。
まとめ
食滞は放っておくと逆流性食道炎の原因となります。
そのため普段から胸やけを感じたりゲップが出る人は食事を見直しましょう。
普段から胃の負担を減らすことが根本的な解消につながります。