靴の外側ばかりがすり減る。
正しい歩き方をしようとすると膝や股関節に違和感や痛みが出る。
歩くときに身体が揺れる。
こんなことで悩んでいませんか?
歩くのは無意識で行われますが、正しく歩くのは案外むずかしいものです。
こちらでは、歩き方が悪くなる原因と矯正の方法について書いています。
歩くときに使う臀筋(でんきん)
お尻の筋肉は臀筋と呼ばれ
- 大臀筋
- 中臀筋
- 小臀筋
の三種類があります。
殿筋群は主に股関節を動かすのが役目のアウターマッスルで、インナーマッスルには細かい筋肉が他にも存在します。
大臀筋は身体の中でも断面積が大きな筋で、臀筋の大部分を締めています。
主に階段を上る時や歩行の際に足を前方に振り出す際に活躍します。
大殿筋の主な作用は足を蹴りだすことで、大股で歩こうとすれば大殿筋が活躍します。
体幹の前屈が深くできない人の多くは大臀筋が硬くなっています。
すぐに歩き疲れる人は大殿筋が弱っている可能性があり、大殿筋が弱っている人は特徴的な歩き方をします。
大殿筋が弱っているときの歩き方
大殿筋の筋力が低下すると、体幹が骨盤の傾きに引っ張られて姿勢が崩れます。
すると下腹ぽっこりの姿勢となり、骨盤が後傾し重心が後ろに偏った歩き方になるのです。
下腹ポッコリの姿勢は大殿筋がきちんと働いていない証拠です。
ちなみに左右に揺れるように歩く人は股関節の外転筋である中・小殿筋が弱っています。
この状態で歩いていると膝や股関節を痛めやすくなります。
大殿筋を緩めるにはウォーキングが一番ですが、悪い姿勢では効果は半減します。
正しいウォーキングは歩幅を大きくして、腕をしっかりと振れるのが理想です。
ですが姿勢が悪いと歩幅が狭くなるので、ウォーキングをする前に理想の姿勢を見つけましょう。
重心を見つける
ウォーキングをする際には重心の位置が重要となります。
足裏の重心がどこにあるかでウォーキングの効果が変わるからです。
やり方)
- 肩幅に足を開いて立つ
- 足裏の重心を意識する
- ヘソ下の丹田を前後に動かして重心の移りを確認する
- 土踏まずの内側で前方の位置で腰を止める
- 胸を張って目線を上下させる
- 同じく土踏まずの内側で前方に重心が来たら止める
この重心の位置が一般的に身体の負担が少ないと言われます。
ですが、人によって理想の重心の位置は違います。
そこで次は腕を振りながら同様に行ってみましょう。
- 肘を軽く引くイメージで腕振りを行います
- 腰を前後に動かし肘が引きやすい位置で止めます
- 顔を上下に動かして肘が引きやすい位置で止めます
- 腰と顔の位置を保ったまま歩いてみましょう
この歩き方があなたにとって足に負担が少ない姿勢です。
人間の身体は運動不足だと大殿筋が硬くなり、重心がかかと寄りの外側にずれていきます。
かかと寄りで外側の重心だと股関節や膝関節を痛めやすくなるので、土踏まずの内側で前方の重心を意識しましょう。
効果倍増の砂浜歩き
正しい歩き方が分かっても運動不足では意味がありません。
普段から歩く癖をつけておくのが理想的ですが、より効果的なのが砂浜歩きです。
軟らかい砂の上を歩くと、足の指も含めて足全体を使って歩くので足底の筋力アップもできます。
さらに不安定な砂の上を歩くには、バランス感覚も必要となるので歩いているだけで体幹から鍛える事も可能です。
最近では、高齢者のトレーニングとしても採用されています。
足底の負荷を減らすには、腹筋や背筋などを使って上半身を安定させることも大切です。
本来なら人間の身体は動いている方が回復力が高まるのです。
昔の人は、山を歩いたり砂浜を歩いたりして、自然治癒力を高めて足の怪我を治してきました。
身体は動かしてこそ本来の機能を発揮します。
安静にするだけでは自然治癒力は高まらず、正しい身体の使い方を忘れてしまい余計に負担をかけてしまいます。
運動不足の身体は軸が安定しないため、負荷がかかってはいけない所へかかり、新たな痛みの原因となってしまいます。
まとめ
膝や股関節は急に痛みません。
痛みが出るのは重心の位置が悪くて歩幅が狭いからです。
だから普段から正しい重心を意識して、頭と腰の位置を調節しましょう。