「冬になると咳がひどくなる」
「寒さに弱く風邪をひきやすい」
「寒がりなのに汗をかく」
こんな悩みを抱えていませんか?
これらの症状は気虚と呼ばれる状態で起こり冬に悪化するのが特徴です。
こちらでは身体を弱らせる気虚の原因と解消法について書いています。
肺気虚と腎気虚
肺の換気機能が低下するのが肺気虚で、腎臓の再吸収力が低下するのが腎気虚です。
肺気虚と腎気虚が同時に起こると腎不納気(じんふのうき)とも呼ばれ、腎不納気に陥ると息を吸いづらくなり汗をかきやすくなります。
汗をかきやすくなるのは自汗(じかん)と呼ばれ、気虚の特徴的な症状で毛穴を引き締められなくなるために起こります。
冬の腎気虚は代謝不足の腎陽虚に傾きやすく、手足の冷えが顕著になり身体を動かしても冷えが解消されません。
冷えが解消されないと夜間頻尿の原因ともなり睡眠の質が低下し、高齢者だと肺気腫の原因となったり子供だと喘息の原因にもなったりします。
腎とは
東洋医学では腎は気の根本であり代謝を司っているので、腎が弱い人は先天的に虚弱で慢性疾患に陥りやすいと言われています。
また過労や加齢によっても腎は弱り喘鳴や息切れの原因となり、腎気虚となることで冷えやすく寒がりになります。
肺気虚は衛気が不足して毛穴が引き締められないせいで汗がよく出て、免疫力が低下するので風邪をひきやすく呼吸器疾患を併発しやすくなります。
腎臓の重要な役割の一つが血圧の維持で、血圧が下がるとろ過機能が下がって老廃物が蓄積しやすくなります。
血圧が下がると身体の末端まで血液が行かずに冷え性になりやすくなります。
また腎臓の酸素消費量は極めて大きいので、腎臓には血液中の酸素の状態を感知するセンサーがあり酸素が不足すると赤血球の産生を促すエリスロポエチンを分泌します。
肺と腎臓を元気にするには
冬に肺と腎臓を元気にするには寒い空気の中でウォーキングで軽く汗ばむことが大切で、汗が流れるほどの運動は控えるのが大切です。
たっぷりの睡眠と足のマッサージもおすすめで、承山(しょうざん)とのツボを刺激すると身体をポカポカと温める働きが高まります。
承山はふくらはぎの中央にあり最もふくらんでいる辺りです。
即効性はありませんが、普段から繰り返し刺激していると血流が良くなって冷えにくくなります。
腎は年齢を重ねて体力が低下すると弱りやすいので、冬は特にウォーキングをして承山を刺激しましょう。
まとめ
東洋医学では加齢による衰えを腎虚と表現しました。
腎虚は腎の弱りで、腎虚になると肺の弱りを招き冷え性の原因と考えました。
そのため普段から風邪を引きやすかったり冷えやすかったりする人はツボを刺激してウォーキングを心がけましょう。