「食べると胃もたれがする」
「お腹が空かないから食べられない」
「急にお腹が痛くなる」
そんなことで悩んでいませんか?
食べたものを消化吸収するにはホルモンの働きが大切です。
普段から何気なくしている食事ですが、ホルモンの働きがあればこそです。
今回は、消化に関わるホルモンについて解説します。
消化管ホルモンとは
胃腸や膵臓などの消化管は食物が入ってくれば自動的に消化液を分泌し、加えて自律神経やホルモンの調節も受けています。
消化管を調節するホルモンは20種類以上が確認されており、それらの消化管ホルモンがきちんと正しく分泌されることで消化管は適切に働きます。
胃に食物が入ればガストリンが分泌されて、胃の内容物が十二指腸に移るとセクレチンやコレシストキンニンが分泌されます。
消化管ホルモンである
- ガストリン
- セクレチン
- コレシストキニン
三大消化管ホルモンと呼ばれていてお互いに影響し合っています。
ガストリンは胃酸分泌を促進させます。
セクレチンは膵液分泌と胆汁分泌を促進させて、胃酸分泌を抑制する作用も持ちます。
コレシストキニンは胆嚢を収縮させて胆汁を分泌させて膵酵素の分泌も促し、胃酸分泌は抑制します。
膵臓からはアルカリ性の膵液と消化酵素の2種類が分泌されていて、セクレチンは膵臓からアルカリ性の膵液を分泌させ、コレシストキニンは消化酵素の多い膵液を分泌させます。
ホルモンによる分泌は、食物が入ってきた時に起こる反射性の分泌よりも分泌量が多くなります。
各ホルモンの相互作用
胃に食物が入るとガストリンは壁細胞からの胃酸と消化酵素のペプシノゲンの分泌を促し、さらに胃に栄養を与えて胃の粘膜細胞を修復しています。
ガストリンによって分泌される胃酸の量が一定に達するとセクレチンが分泌されます。
そしてセクレチンはガストリンの分泌の終了を促します。
セクレチンは小腸から分泌され、胃酸分泌を抑制すると同時にアルカリ性の膵液の分泌を促します。
小腸に流れ込んできた胃酸はこのアルカリ性の膵液によって中和されます。
胃の次にある十二指腸に食物から分解されたペプチドやアミノ酸、脂肪酸が入るとコレシストキニンの分泌が始まります。
コレシストキニンは、消化酵素が多めの膵液と胆汁の分泌を促してタンパク質や脂肪の消化を促します。
十二指腸内の物質が無くなるとコレシストキニンの分泌も抑制されます。
ホルモンによる消化への影響
消化に関わる三大ホルモンは
- ガストリン
- セクレチン
- コレシストキニン
です。
ガストリンは胃酸の分泌を促し胃での消化を促し、セクレチンは膵液の分泌を促して小腸の一部である十二指腸での消化を促します。
そして胃もたれの原因の一つには消化ホルモンであるコレシストキニンが関係します。
コレシストキニンは脂質の吸収を促す胆汁を排出するホルモンですが、同時に胃の働きを抑制します。
これは一度に多くの脂質が十二指腸に流れ込まないように制御しているのです。
油っこい食べ物が胃もたれを起こすのは、このコレシストキニンの働きによります。
胆汁は肝臓が作りますが、普段から胆汁を大量に作っていると肝臓が弱り作られる胆汁の量が減ってしまいます。
こうなると、少ない胆汁を振り絞ろうとコレシストキニンが大量に分泌されます。
結果として、大量に分泌されたコレシストキニンが胃の働きを低下させるのです。
つまり脂質の過剰摂取は肝臓の機能低下を招き胃もたれの原因となるのです。
だから胃の機能を高めるには高カロリー脂肪食を避けることが基本となります。
また胆のうを切除した人は、胆汁の貯蔵が出来ない分だけコレシストキニンが大量に分泌されやすく胃もたれを起こしやすくなります。
まとめ
病院では胃もたれの際に胃酸の抑制剤などが処方されます。
ですが実際には胃酸を抑制するホルモンの分泌が不足しているのが原因となります。
大切なのは、ホルモンバランスを調えられる食事を意識することです。