「胃もたれして腹痛や吐き気が起こる」
「ゲップやおならがたくさん出る」
「食後はお腹が張って痛む」
そんな悩みを抱えていませんか?
胃もたれを繰り返す主な原因は消化不良です。
こちらでは消化不良を起こす原因と対処法について書いています。
消化不良の原因となる水分の流れ
人間の身体は体重の60%が水分で出来ています。
そのうちの血液を除いた成分を津液(水分)と呼んでいます。
津液(水分)には
- リンパ
- 滑液
- 胃液や腸液
などがあります。
リンパは血管の無いところを流れ細胞の一つ一つまで潤し、その際に栄養と老廃物の交換を行います。
滑液は関節の滑りを良くするために、各関節の間に分泌されています。
胃液や腸液は主に食物を消化して吸収するために分泌されているので、胃液や腸液の分泌が不十分だと消化不良を起こします。
胃液分泌量は1日で約1500~2500㎖ほどで、腸液分泌量は1日1500~3000㎖ほどです。
胃腸の分泌液には多くの消化酵素が含まれており、胃腸における分泌総量は1日に5ℓにも及びます。
他にも健康な成人の1日当たりの排尿量は700~3000㎖ほどで、唾液は一日に1.0~1.5リットルが分泌されると言われています。
これらの液体の元は全身を巡りながら蓄えられており、巡りが滞ると分泌が上手くいかなくなります。
胃の老化
胃は加齢によって粘膜が萎縮すると胃酸分泌が低下し、鉄やビタミンB12の吸収力が落ちてしまいます。
加齢によって胃の弾力性が低下すると、胃に溜められる食物量が減り小腸へ食べ物を運ぶ能力も低下し胃もたれを感じます。
ストレスは交感神経の働きを強くし、胃の血管を収縮させて胃の運動を低下させて胃酸と胃粘液の分泌を減少させます。
そしてアスピリンやイブプロフェンなど非ステロイド性消炎鎮痛薬は、胃の血流を高めるプロスタグランジンを作らせないようにしてしまいます。
プロスタグランジンは発痛物質ですが、同時に胃粘膜の血流を良くしたり細胞を修復したりする作用もあるからです。
そのため、安易に鎮痛剤を服用していると胃をどんどんと弱らせてしまうのです。
そして胃もたれがするからと他の薬に頼るのは本末転倒と言えます。
大切なのは、身体の水分の巡りを良くして胃液や腸液が分泌されやすい身体にすることです。
薬に頼らない身体づくり
身体の水分の巡りを良くするにはツボ刺激も効果的で、足やお腹のツボを刺激することで胃の機能は高められます。
胃もたれを解消するツボには、
- 中脘(ちゅうかん)
- 足三里(あしさんり)
- 解谿(かいけい)
などがあります。
中脘(ちゅうかん)はみぞおちとおへそを結んだ線の中心にあり、食欲不振や胃腸の疲れに効果があります。
中脘を刺激する時は優しく擦ってお腹を伸ばします。
足三里は、すねを下から擦って引っ掛かるでっぱりの外側で、胃酸の分泌を助け胃痛や胃もたれを緩和します。
足三里を刺激する時は指でぐりぐりと押しながら足首を動かします。
解谿(かいけい)は、足首の中央の凹んだところで内くるぶしと外くるぶしの中間あたりで、お腹の張りやむくみを解消します。
解谿を刺激する時は指で押さえながら足首を曲げます。
まとめ
体内を巡る水分の元は同じですが、巡りが滞ることで分泌量が減ります。
さらに老化や薬の乱用によって胃液の分泌量がどんどん減って胃もたれを起こしやすくなります。
そんな時でも胃薬などに頼るのではなく、水分の巡りを高めることで胃の機能を高めましょう。