「更年期は女性に起こる」
「男性はホルモンのバランスで不調にならない」
これらは、よくある誤解です。
更年期障害と聞くと女性に特有だと思われがちです。
ですが実際には男性にも更年期障害の症状は現れます。
今回は、男性にも現れる更年期障害について解説します。
更年期障害とは
更年期の症状は自律神経失調症に似ています。
そのため更年期障害は45〜54歳に起こる自律神経失調症という説もあります。
実は更年期障害とは言ってもいくつかの種類が原因があり、原因によって対処法も変わってくるのです。
最も代表的な更年期障害の原因は女性ホルモンの減少です。
女性ホルモンの分泌を促すのは脳下垂体からの性腺刺激ホルモンです。
そして自律神経を調節する視床下部は脳下垂体と密接な位置にあります。
そのため脳下垂体におけるホルモンバランスの乱れが、近くにある視床下部における自律神経の乱れを誘発している場合もあるのです。
女性ホルモンのエストロゲンは交感神経を優位にして、プロゲステロンは副交感神経を優位にします。
だからプロゲステロンの減少がきっかけとなって起こる更年期症状は副交感神経の弱りともいえるのです。
基本的に年齢とともに副交感神経は弱ります。
そのため一時的に交感神経が過剰になった状態が更年期の症状と言えるのです。
自律神経のバランス
そしてエストロゲンの分泌がゼロに近づく55歳頃には更年期症状の多くは沈静化します。
交感神経が優位な状態が続くと、筋肉が緊張した状態になり指がこわばりやすくなります。
更年期の時期に起こる指の腫れやこわばりの多くはへバーデン結節やリウマチと診断されます。
へバーデン結節もリウマチも解消するためには、首肩の筋肉の緊張を解消することが重要になります。
そして自律神経失調症になる人は首肩の筋肉が緊張しやすいのが特徴です。
また交感神経が優位な状態が続くと、代謝が盛んになって多くの老廃物が出ます。
老廃物が多く溜まると身体は浮腫み、指で起こった炎症が鎮まりにくくなる事も分かっています。
本来なら副交感神経が優位になる就寝時などに老廃物は排泄の準備を整えます。
ですが交感神経が優位なままだと身体に老廃物が蓄積します。
更年期の時期における指の痛みや腫れといった症状の主な原因は、
- 交感神経の優位で起こる筋緊張
- 老廃物の蓄積で起こる浮腫み
などです。
更年期症状の原因が自律神経の乱れなら、男性にも更年期の症状は起こります。
そのため男性も40歳ころから指の腫れや痛みは起こりやすくなりますが、女性よりも水分代謝は高い傾向にあるので目立ちません。
ですが、指を酷使している男性はへバーデン結節を起こしやすくなります。
男女ともに大切なのは、指の安静よりも十分な睡眠となります。
まとめ
更年期障害の原因は一つではありません。
「男性だから大丈夫」というのは間違いです。
自律神経の乱れが更年期障害の原因の場合もあります。
その場合は男性にも更年期の症状や指の腫れや痛みが起こりやすくなります[/kaiwa1]