「腎臓の数値が少し悪い」
「腎臓が悪くなるとどうなるの?」
そう思ったことはありませんか?
腎は加齢に伴い弱る臓器です。
そのため年を重ねると腎虚の症状が現れます。
今回は腎虚の一つである腎陰虚について解説します。
腎陰虚とは
腎陰虚とは、単純な津液(水分)の不足と腎虚の症状に加えて熱証が見られます。
津液(水分)の不足がきっかけの熱証は虚熱と呼ばれ、気(代謝)が盛んな訳ではなく津液(水分)が加齢によって不足することがきっかけで起こります。
特に50歳を超えると腎虚は起こりやすくなります。
津液(水分)の多くは筋肉に蓄えられていますが、年とともに筋肉量が減少すると身体の津液(水分)も減少します。
他にも長期間の過労や性交過多などもきっかけとして津液(水分)の不足を招きます。
また糖尿病や肺結核症などの慢性消耗性疾患になると津液(水分)は不足しやすくなります。
筋肉などの分解などが進むと身体で炎症が起こり、炎症を繰り返していると体内の津液(水分)の排泄が促され腎陰虚になりやすくなります。
そのため炎症を鎮めることは腎陰虚を解消するためには必要です。
そして腎陰虚は他の臓器の陰虚の原因となります。
腎虚の症状には腰の弱りや下半身の冷えなどがあり、熱証としてのぼせや咽の乾き、不眠など夜間の症状が多くあります。
熱証が優位な腎陰虚だと、身体は痩せて皮膚は乾燥してツヤがなくなります。
男性では性欲はあっても勃起が持続しないなどの症状が見られ、女性では月経不順や不正性器出血などが現れます。
薬膳から見ると清熱補陰の効能がある食材を選びます。
清熱補陰とは炎症を鎮めて身体を潤す作用があり、清熱補陰をもつ食材には苺やアワビ、牡蠣などがあり生薬には地黄があります。
さらに炎症の成分は尿となって排泄されるので、排尿を促す利水の食材も大切です。
苺は清熱利水の食材でもあり、他には小豆や胡瓜、昆布、スイカ、白菜、緑茶なども清熱利水の効能があるので炎症を鎮めるのに役立ちます。
漢方薬では腎虚には地黄を使ったものが用いられ、地黄が含まれる八味地黄丸は腎虚を解消する代表的な漢方薬です。
また補陰補腎の効能を持つ山芋や烏骨鶏なら、身体を潤して腎の機能を高めるので腎陰虚の解消には効果的です。
昔から山芋は不老の食材と言われおり、老化の原因となる腎虚を解消する食材として重宝されてきました。
まとめ
腎陰虚は体内で炎症が起こっていると悪化しやすいのが特徴です。
身体での炎症を鎮めるためには清熱や利水の食材が大切です。
50歳を超えたら腎陰虚を悪化させる過労や性交過多を気をつけましょう。