普段は何気なく食事をしていますが、食欲は体調に左右されます。
胃は不調の時に機能がすぐに低下します。
そんな胃の調子を保っているのは自律神経です。
今回はそんな胃と自律神経について解説します。
胃と自律神経の関係
副交感神経が興奮するとアセチルコリンと呼ばれる物質が放出されて、胃腸などの消化管の運動が活発になります。
逆にアセチルコリンの量が少なくなると、消化管の運動が鈍くなり消化機能が低下します。
このアセチルコリンの放出量は
によって調節されています。
どちらも副交感神経の終末で受容され、ドーパミンが受容されるとアセチルコリンの放出が抑制されます。
対してセロトニンが受容されるとアセチルコリンの放出が促進されて消化機能が向上します。
つまり消化機能を高めるには、ドーパミンが受容される量を減らすか、セ口ト二ンが受容される量を増やすことが消化機能を高めることにつながるのです。
胃炎の種類
胃は炎症を起こしやすい内臓の一つです。
胃の炎症には
- 急性胃炎
- 慢性胃炎
- 萎縮性胃炎
- 神経性胃炎
があります。
急性胃炎は食べ過ぎや飲み過ぎ、香辛料の摂り過ぎなどでも起こる胃もたれなどを起こす一過性の胃炎です。
慢性胃炎の場合は原因の多くがピロリ菌の感染で、胃の粘膜が弱ることで胃痛や吐き気、胃もたれなどの症状が現れ悪化すると胃潰瘍に進行します。
そして慢性胃炎が長期化することで胃の粘膜が薄くなり脆弱になると萎縮性胃炎と呼ばれ、萎縮性胃炎を放置すると胃がんになるリスクが高くなります。
神経性胃炎は過度なストレスや疲労などが原因で自律神経が乱れた時に起こります。
自律神経が乱れる事で胃酸の分泌がコントロールできなくなり、胃酸が過剰に分泌されることで起こる胃炎です。
東洋医学から見た神経性胃炎
東洋医学から見ると神経性胃炎は肝気の失調によります。
肝鬱気滞や肝陽上亢が起こり自律神経が乱れて胃気が過剰になっている状態です。
この肝臓からの不調により胃の機能が低下する肝胃不和(かんいふわ)と呼ばれる状態になります。
肝胃不和は40歳くらいから起こりやすくなります。
胃気が過剰とは胃の活動が活発になっている状態で、自律神経が乱れる事でコントロールが出来なくなった状態です。
この場合に大切なのは肝気を鎮めるために肝に溜まった熱を取り除く事です。
肝気が過剰になると飲食物が腸に進みにくくなるので、まずは肝気が過剰になる原因となった気滞や肝陰虚から解消します。
まとめ
胃炎にはいくつかの種類があります。
ですが胃だけの問題とは限らずに、胃炎には肝臓の不調も隠れています。
だから胃炎の解消のためには肝臓の機能を整えることも重要です。