丹田とツボは一緒なの?
効果は違うのか?
丹田とはツボよりも大きな範囲を指します。
ですが場所的にはツボの効能とほぼ一致します。
今回は丹田の効能について解説します。
丹田とは
丹田とは身体の中心ラインの中核にあるため、古来より重要視されてきたポイントです。
また丹田とは道教の用語でありエネルギーの中心となる場所という意味です。
ちなみに丹田は三種類あり、
- 額の上丹田
- 胸の中丹田
- 臍下三寸にある下丹田
があり普段から言われている丹田とは下丹田の事になります。
この下丹田は中国では関元 (かんげん)と呼ばれるツボの位置であり、インドでは第二チャクラと呼ばれる位置になります。
関元は婦人科疾患や冷え性、倦怠感や情緒不安定などに効果があるとされています。
また第二チャクラも情緒のバランスや欲に関係しているとされます。
日本では坐禅や正座などが発達した江戸時代から丹田を重視してきました。
現在でもは武道やヨガ、禅や日本舞踊などの際に丹田は紹介されています。
丹田の位置
丹田の位置する場所の中心には小腸が存在します。
その奥には心臓からの血液を骨盤内の臓器に送る腹大動脈や、それらから逆に心臓に血液を送り返す下大静脈という大きな血管があります。
さらに血管の左右には、姿勢を保つのに重要な役割を果たしている腸腰筋が存在します。
加えて骨盤内の臓器をコントロールする下腹神経叢や六大リンパ節の一つである腸リンパ本幹まであります。
そのため丹田は身体の自己治癒力を大きく左右する重要な場所となるのです。
丹田は腹直筋上にあり腹圧の調節に大きな役割を果たします。
そして丹田を意識して腹圧を調節すれば自律神経に大きな影響を与える事が可能です。
内臓の機能をコントロールする下腹神経叢と呼ばれる神経の塊は腹圧と大いに関係があります。
強い腹圧がかかるほどに下腹神経叢の機能は高まり自律神経が整うのです。
そのため丹田を通した腹圧の調節は、自律神経を調整して内臓の機能を高めるのに役立っているのです。
腹圧とは
腹圧とは腹筋と横隔膜の収縮によって生じる腹腔内の圧力です。
この腹圧が高ければ内臓の機能を高めて排便や排尿を助けますが、腹圧が低い人は便秘や下痢を起こしやすくなります。
腹圧が低い人は太陽神経叢の働きが悪く、内臓の機能が低下するからです。
大腸から生殖器などの内臓をコントロールする神経叢を活発に働かせるには、腹圧を効率よく高める事が大切です。
腹圧を高めるには丹田を意識した呼吸が大切です。
腹圧がかかる場所を腹腔といい
- 横隔膜
- 腹横筋
- 骨盤底筋群
- 脊柱
- 脊柱起立筋群
などから構成されています。
この腹腔内に腹圧を効率よくかけるには丹田呼吸が重要です。
丹田の効能
腹圧を高めて丹田を刺激できると、
- 精神が安定する
- 呼吸が深くなる
- 下半身が安定する
などの効果が得られます。
腹圧を高めれば下腹神経叢を刺激して自律神経を安定させられます。
自律神経が安定すれば精神的な安定も手に入れる事が可能です。
さらに腹圧が高まると呼吸の呼気が深くなり、呼気が深いと身体をリラックスさせる副交感神経を優位にすることが可能です。
すると精神の安定に加えて消化機能などの内蔵機能も活発となります。
丹田を通して腸腰筋も刺激されるので、腸腰筋の働きによって下半身が安定して身体に無駄な負担がかからなくなります。
丹田は腎臓の動気と言われます。
また東洋医学の経絡と呼ばれるものの出発地点は丹田にあると言われます。
生命の根本は丹田に集合し、気(代謝)を高めるには腰を正しくすえて丹田に力を集めます。
丹田は筋肉では無く腹の奥になるので、丹田に力を集めるとは腹筋と背筋のバランスがとれた状態だと考えられます。
現代人の身体は軸がぶれていると言われます。
軸がぶれる原因は座りっぱなしのデスクワークや運動不足により筋力が衰えたり、体幹が弱って腹筋と背筋のバランスがとれなくなったりしているためです。
腹筋と背筋のバランスがとれいないと重心がズレてしまい身体に余計な負担がかかります。
身体に余計な負担がかかることで自律神経が乱れ様々な不調が現れるのです。
丹田に力が入っていない状態だと血流の悪さから丹田の辺りが冷えやすくなります。
丹田呼吸法とは
呼吸は自律神経系でコントロールされています。
同時に呼吸をうまく行うだけで自律神経を逆にコントロールする事も可能なのです。
丹田を意識して深い呼吸を行う事でより自律神経系を整えることが可能です。
身体が緊張状態だと、呼吸をする際にお腹と胸の両方を使いがちです。
さらに緊張が強くなりすぎると肩だけで息をしがちです。
お腹の丹田を使った深い呼吸ができていないと、自律神経が乱れっぱなしになり自律神経失調症のリスクが高まります。
だから呼吸をする時には丹田を意識することが大切なのです。
やり方)
1、丹田の位置を確認する
2、丹田を凹ませながら息を吐く
3、丹田を膨らましながら息を吸う
これを繰り返して呼吸をするのが丹田呼吸法です。
要は丹田のあるへそ下3寸の所を動かしながら腹式呼吸をするということです。
初めは座って行いましょう。
手を軽くお腹に当てて、お腹が凹んだり膨らんだりするのを確認しながら行ってください。
慣れてきたら立位をとります。
そして息を吸う際には軽く背中を反らします。
息を吐く時には軽くお辞儀をするようにします。
座位の時よりも深く呼吸が出来るはずです。
身体を動かすのが目的ではなく、あくまでお腹を大きく膨らませたり凹ませたりして丹田を動かしながら深い呼吸をするのが目的です。
まとめ
丹田がある下腹部の奥には神経の塊があります。
その神経に刺激を入れることで自律神経が整います。
また下腹部を動かすことで腹筋が引き締まり腰がくびれる嬉しい効果付きです。