[kaiwa1]身体は常に変化していきます。
その中でも変化が大きいのはホルモンの分泌です。
全てのホルモンが減少するわけではありませんが、今回は加齢で減少するホルモンについて解説します[/kaiwa1]
加齢によって減少するホルモン
多くのホルモンは加齢によって分泌量が減少します。
加えてホルモンの受容体の機能も低下するので、若い時と同じように身体は反応してくれません。
加齢によって特に減少するのが
などです。
女性は性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが減少すると閉経につながります。
エストロゲンの減少はほてりや抑うつ症状の原因ともなります。
男性も性ホルモンであるテストステロン減少すると性欲が減退します。
そしてテストステロンの低下は生活習慣病のリスクを高め、男性にも更年期の症状が現れる事が分かっています。
性ホルモンが減少することで、脳下垂体からの性腺刺激ホルモンは逆に増加します。
ですが、どれだけ性腺を刺激されても性ホルモンの分泌量は増えないので、人によっては自律神経が乱れて更年期の症状が現れます。
成長ホルモン濃度の減少は筋肉量の減少と筋力低下につながり、サルコペニアなどの機能低下が起こります。
また成長ホルモンは老化防止の作用もあるので、成長ホルモンの分泌量の低下は血管の老化や細胞の酸化を加速させます。
メラトニン濃度が減少すると睡眠の質と長さが低下します。
加齢で変化が少ないホルモン
また通常であればわずかにしか減少しないホルモンには
- コルチゾール
- インスリン
- 甲状腺ホルモン
などがあります。
コルチゾールは副腎皮質から分泌され、精神的・身体的ストレスで数倍に上昇するホルモンです。
加齢による分泌量の変化はありませんが、コルチゾールの分泌後に正常濃度に戻るのに時間がかかるようになります。
つまり加齢によってストレスに対する柔軟性が失われるという事です。
インスリンも加齢による分泌量の減少が少しあり、筋肉量が減り脂肪組織の割合が増加するとインスリンの反応が悪くなります。
そのため食後に高くなった血糖値のコントロールが下手になるので、加齢により糖尿病のリスクが高まっていきます。
甲状腺ホルモンも加齢による影響はわずかです。
ただし歳をとると、甲状腺は縮んで本来の位置より下がります。
ですが甲状腺から分泌されるホルモンの量はわずかにしか減少せず、機能的な問題はありません。
ですが甲状腺疾患は加齢に伴って増加します。
そのため甲状腺は加齢による影響は少ないですが、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症などの病気は発症しやすくなります。
甲状腺疾患になった高齢者は大幅な体調の悪化を感じ、日常生活を送る能力が大きく衰える場合もあります。
加齢により増加するホルモン
加齢による変化はホルモンだけでなく自律神経にも起こります。
加齢によって副交感神経が弱り、相対的に交感神経が強くなる事で血中のノルアドレナリンは増加します。
またエストロゲンによって過剰な分泌を抑えられていた骨を溶かす副甲状腺ホルモンも増加傾向になります。
高齢者になるとカルシウムの吸収率が下がり、血中のカルシウム濃度が低くなるので副甲状腺ホルモンが大量に分泌されます。
若い時は抑えられていた副甲状腺ホルモンが増える事で、女性はより骨粗鬆症になりやすくなります。
[kaiwa1]加齢による身体の変化は避けられませんが、あまり変わらない機能もあります。
ですが性ホルモンの分泌量は確実に減り、性ホルモンによって維持されていた機能は衰えます。
大切なのは加齢によって変わる変化を受け入れて、年代にあった適切な対応をしていくことです[/kaiwa1]