50歳頃になると増えてくるのが更年期の症状です。
更年期の時期にはホルモンのバランスが乱れ様々な不調が出ます。
今回はそんな更年期の乗り越え方を解説しています。
更年期とは
人間の身体は年齢とともに変化していきます。
男女では差があり男性なら8の倍数で、女性なら7の倍数で大きな変化が現れます。
女性の更年期が起こりやすいのは、7の倍数である49歳を中心とした前後5年の約10年間です。
この時期には卵巣の機能が大幅に低下します。
更年期障害とは、卵巣の機能低下により女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少に適応できない時に起こる症状です。
そもそも7の倍数である42歳の時期からホルモンの分泌量は減少します。
ですが問題となるのはホルモンが分泌されづらくなる原因です。
多くの場合は、ホルモンの分泌量の減少は腸内環境の悪化から起こります。
更年期障害の主な症状は、
- 顔のほてり(微熱)
- ホットフラッシュ(急激な発汗)
- 手足や腰の冷え
- 不眠
- イライラ
など心身ともに様々な症状が現れます。
ちなみに更年期障害というのは、男性にも起こることがあり男性更年期と呼ばれます。
男女ともに更年期の症状が見られるのは、女性ホルモンだけが原因でないことが分かります。
東洋医学から見た更年期
東洋医学から見た更年期の原因は陰虚(いんきょ)にあります。
陰虚とは身体の水分不足であり、誰でも年齢とともに起こる現象です。
子供の時には体重の70%近くが水分なのに対して、30歳から40歳にかけては体重の60%ですが、50歳になる頃には体重の50%近くまで水分量が減少します。
この身体の水分量を保水力と呼びます。
保水力の有無は、
- 代謝量
- 筋肉量
- 睡眠時間
などに左右されます。
子供の時には代謝量や睡眠時間が十分にあるので高い保水力を保ちます。
ですが年齢とともに代謝量や筋肉量が低下します。
さらに普段から睡眠不足がある人はさらに保水力の低下が目立ち陰虚の症状が現れるのです。
更年期の症状は陰虚の症状とかなり似通っています。
身体の水分が不足しているから頭に昇った熱を冷ますことが出来ずに微熱やホットフラッシュが起こります。
また頭に熱が昇った状態は気滞(きたい)と呼ばれ、イライラしやすかったり不眠になったりする原因と考えられています。
更年期障害を解消するには
更年期障害はエストロゲンの減少がきっかけですが、身体では自律神経の乱れが起こっています。
身体はエストロゲンの不足を解消しようと神経が指令をだしますが、エストロゲンが分泌されずに過剰に神経が興奮してしまうためです。
ここでポイントとなるのはエストロゲンを補充することではなく、エストロゲンを必要としない身体にすることです。
そもそもエストロゲンの使命は身体の水分量を調節することで、更年期の症状は水分代謝の調節が苦手なために起こります。
更年期の症状を根本的に解消するには
- 陰虚(いんきょ:水分が不足した状態)
- 気滞(きたい:頭に熱が昇っている状態)
の状態を解消することです。
そのため身体を潤して陰虚を解消し、頭の熱を発散させて期待を解消することが必要となります。
具体的には、水分不足を解消するために水分をしっかりと摂ることが重要です。
また水分の吸収率や保水力を高めるためには運動をして汗をかく必要があります。
また夜更かしなどの睡眠不足は身体を水分不足にするので早寝早起きが大切です。
汗をかくことは頭の熱を発散させるのにも役立つので、運動をする時間がなくてもお風呂などで汗をかくのも効果的です。
陰虚は水分不足ですが、汗をかかない人は水分の吸収率が低下するので汗をかいてしっかりと水分を摂ることが大切です。
陰虚の人が最も気をつけたいのは、唐辛子や胡椒などの香辛料のとりすぎは避けることです。
香辛料は身体に熱を発生させて潤いを奪ってしまいます。
おすすめなのは果物です。
東洋医学には、
甘酸化陰:甘味と酸味を合わせると身体が潤う
という言葉があります。
そのため甘味と酸味のある果物で、
- 春なら苺やさくらんぼ
- 夏ならスイカやパイナップル
- 秋ならブドウや梨
- 冬ならミカンやレモン
などを季節に合わせて食べることがおすすめです。
またイライラや不眠などの気滞の症状が強い人には、ミントティーや菊花茶がおすすめです。
まとめ
50歳になる頃にはエストロゲンが減少して更年期の症状が現れます。
ですが大切なのはエストロゲンの補充ではなく、エストロゲンが少なくても問題が起こらない身体づくりです。
そのため陰虚と気滞を解消して更年期の時期を乗り越えましょう。