春の食欲不振は東洋医学から見れば肝気犯脾

春になって急に食欲が落ちていませんか?

「食べなくても平気」

「すぐにお腹がいっぱいになる」

「食べると下痢をする」

春に起こる食欲不振の多くは肝気犯脾と呼ばれます。

今回のブログを見れば肝気犯脾の原因と解消のための漢方薬が分かります。

今回も東洋医学が大好きな鍼灸あん摩マッサージ指圧師の福原がお送りします。

春という季節

春は徐々に気温が上昇し気圧差が大きくなるので、身体の中では代謝が上がり肝臓の負担が増える季節です

春に起こりやすいのは肝鬱気滞と呼ばれる症状で、気滞とは発生した熱が発散されずに身体にこもった状態です。

冬が終わったばかりの時期は身体が熱を溜め込みやすく、溜め込んだ熱が発散されない事で肝臓がオーバーヒートします。

この時期はどんどんと動いて熱を発散させないと、うつ症状などの精神状態も現れやすく結果として胃腸の機能も低下します

春先は外に出て適度に運動して汗をかかないと、身体にこもった熱で軽い脱水症状なども起こります。

身体に過剰な熱がこもって消化器系が弱る事を肝気犯脾(かんきはんぴ)と呼び、食べた物を上手く消化して排泄できなくなります。

肝気犯脾(かんきはんぴ)

食欲不振の原因の多くは胃腸にありますが、春先には肝の気が高まり過ぎる事で食欲不振が起こります

つまり胃腸の問題というよりも、肝に問題が起こり胃腸はしわ寄せを食っている形です。

冬を越した身体には多くの老廃物が溜まっており、それらが上手く排泄されない事で身体には問題が起こります。

肝は消化器系の働きを助けるので、肝の助けが無く消化吸収や排泄などが滞るようになった状態が肝気犯脾です

食欲不振の他にも膨満感や胸脇部の痛みが現れ、おならが増えて軟便になりやすくなります。

特に胃の機能が低下している人は吐き気も感じやすくなり、逆流性食道炎のような症状も現れます。

加味逍遥散(かみしょうようさん)とは

肝気犯脾によく使われるのは加味逍遥散で、頭に熱がこもりやすい女性の不定愁訴によく用いられます。

肝の働きを整える事で身体の巡りを高め、自律神経を調整する事で肝気犯脾の解消にも役立ちます

溜まった熱を冷やす働きもあるので、春先の不調の解消に役立ち不足している血も補います。

そのため、食欲不振や軟便などの解消だけでなく、イライラや抑うつなどの解消にも役立ちます

普段からストレスが多く、神経性胃炎などを患った人にもおすすめの漢方薬となります。

ストレスによる神経性胃炎には半夏瀉心湯が用いられますが、加味逍遙散は肝の亢進が原因の胃腸の不調を鎮めます。

まとめ

肝気犯脾は春に現れやすい食欲不振の原因です。

胃腸ではなく肝の問題により食欲不振となっています。

そのため、漢方薬は肝が原因となる疾患を解消する加味逍遙散がお勧めです。

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