「健康に関する話をよくするようになった」
「不調で悩んでいる同年代が増えた」
「自分も大丈夫だろうか?」
年齢による変化は人によって様々です。
ですが東洋医学から見れば身体で起こっている変化には流れがあります。
今回は基本的な変化について解説します。
老化による変化
東洋医学では人間の強さは
- 先天(せんてん)の気
- 後天(こうてん)の気
に左右されると考えています。
先天の気とは、その人が生まれながらに持っているエネルギーで腎(じん)」に蓄えられます。
腎に蓄えられた先天の気は親から受け継いだエネルギーなので、年齢とともに減少し補給されることはありません。
そのため腎の強さは気(代謝)の強さを決定づけるものであり、腎が弱ると気(代謝)が低下して回復力が弱ります。
腎は年齢とともにどんどん弱っていく臓器です。
後天の気は東洋医学では脾(ひ)と表現される消化器から補給されます。
そのため胃腸が強くて消化吸収が盛んな人は先天の気が少なくても後天の気で補えます。
ただし体調が崩れる消化吸収力は低下するので、後天の気は安定して補給されるとは限りません。
そのため後天の気を補うことばかりでなく、先天の気を無駄に減らさないようにする事が大切です。
そのため栄養のある食事も大切ですが、身体の負担を減らすことも大切です。
老化の陰陽
東洋医学では津液(水分)よりも気(代謝)が高い状態を陽と呼びます。
その逆で津液(水分)の方が多い状態は陰と呼びます。
若い時には津液(水分)よりも気(代謝)が高いので陽の状態ですが、年齢を重ねるとほとんどの人が陰の状態になります。
陰の状態は津液(水分)が多くなりますが、身体の状態としては安定しています。
津液(水分)が多くなると身体は冷えやすいですが、津液が多い方が突然死の心配は少なくなります。
大切な基準には陰陽に加えて虚実もなります。
虚実から見た年齢変化
同じ冷え性でも気(代謝)はある程度高くても熱が巡らない場合は実となり、気も津液も低くて冷え性な場合は虚となるので意味が違います。
前者の場合は熱の循環を高めることが大切なのに対して、後者では気を高めることが大切です。
また体温は高くても津液が少ない虚の場合と、気が高い実の場合では意味が違います。
津液が少ない人は津液を補うことが大切ですし、気が高い人は熱が頭にこもって冷えのぼせをするので発散が大切になります。
実の人は胃腸が強いので食べた分だけ気(代謝)が高まります。
対して、虚の人は胃腸が弱いので食べすぎれば消化不良を起こすので無理が出来ません。
歳をとると誰でも実から虚に向かっていくのは胃腸の機能が低下するからなのです。
そのため年齢とともに食事量や内容に気をつけるのが基本となります。
まとめ
年齢を重ねると誰でも気(代謝)が低下します。
ですが気(代謝)と津液(水分)の量は生まれつきの陰陽の体質があります。
体質は基本的に年を重ねても同じです。
年を重ねて身体が実から虚に変わっていくことで起こる変化が老化です