「食べるとすぐに胃もたれする」
「腹痛を繰り返す」
「だんだんと食べられる量が減ってきた」
こんな悩みを抱えていませんか?
胃には異常が見つからないのに食が細くなるのが機能性ディスペプシアです。
こちらでは機能性ディスペプシアになる原因と対処法について書いています。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは食後の胃もたれや腹痛を訴えているものの、胃炎などの所見が見つからない時の疾患名です。
明確な原因は見つからないので精神的なものとして扱われ、原因がよく分からないままに胃酸を抑える薬や整腸剤などを出されてしまいます。
また、自律神経の問題とされて精神的な薬を出される場合もありますが、思うように成果が出ない場合が多いのです。
実際に胃は自律神経の影響を強く受けていますが、特に胃に影響を与えやすいものに腹腔神経叢があります。
腹腔神経叢が刺激されることで機能性ディスペプシアが起こると考えられているのです。
腹腔神経叢とは
腹腔神経叢とは、みぞおちの奥で第一腰椎の高さにある神経の塊で交感神経がメインです。
その腹腔神経叢は食道から大腸までの消化器を始め、肝臓や腎臓、脾臓などと幅広い内臓を支配している神経です。
胃と肝臓の後ろで大動脈と腎臓に囲まれた場所にあり、腹腔神経叢は横隔膜に張り付いています。
そのため腹腔神経叢は横隔膜の動きに影響を受けます。
基本的に腹腔神経叢は交感神経がメインなので、腹腔神経叢の働きを弱める事で副交感神経を優位にできます。
そのため腹腔神経叢を落ち着けると内臓の血管が拡張し血圧低下が低下しするので、便秘を解消したり食欲を亢進させたりします。
みぞおちを殴られると強い痛みを感じるのは多数の交感神経が走っていて痛覚が鋭敏なためです。
腹腔神経叢と横隔膜
丹田呼吸法により腹腔神経叢を刺激すれば内臓の自律神経のバランスが整います。
また脳内のセロトニン神経が活性化されることも確認されています。
やり方)
- 背筋を伸ばして息を吸う
- 丹田の腹筋と背筋の圧を同じにする
- 5~10秒で息を吐き切る
5回の呼吸を1セットとして気が付いたら行いましょう。
うまく出来ていれば胃腸がグーと鳴りだす事もあります。
腹式呼吸との違いはお腹を膨らましたり凹ませたりしない事で、腹圧を一定に保つことで腹腔神経叢を刺激できます。
また横隔膜からの刺激により背筋が伸びて腹筋は鍛えられ、腹筋も背筋も筋肉を肥大させるのではなく機能を高める事が可能です。
まとめ
機能性ディスペプシアは病院で原因を特定できないときの疾患名です。
実際は自律神経の問題であることが多く腹腔神経叢が関わっている場合があります。
腹腔神経叢の働きを整えるには、腹圧を意識した呼吸が効果的です。