「最近、理由はないのに不安になりやすい」
「考えすぎて疲れる」
「なかなか眠れない」
そんな症状で悩んでいる人は東洋医学の心血虚の状態かもしれません。
今回は心血虚の特徴と心と脾の意外な関係、そして今日から始められる薬膳について解説します。

心血虚の特徴
心血虚とは心を養う血が不足している状態で、メンタルが不安定となり落ち着きがなくなります。
心の弱りは不眠の原因となりやすく、心血虚では特に眠りが浅く夢が多い熟眠障害などが起きやすくなります。
頭を使いすぎると心血は不足しやすくなるので、普段から周りに気を使いすぎる人によく見られます。

また、心血が不足すると認知機能が低下し、理解力や判断力が低下して集中力が続かなくなります。
肉体的には顔色が白かったり、爪が薄く割れやすかったり髪がパサついたりするのも特徴です。
女性であれば生理不順なども起こりやすく、めまいや動悸なども感じやすくなり普段から頑張り過ぎる人によく見られます。

心と脾との関係
東洋医学では脾が栄養を消化吸収して血を作るので、脾の弱りが心血虚の原因となる場合があり心脾両虚と呼ばれます。
脾は消化器系を指すので、普段から食生活が乱れている人に心脾両虚は起こります。
脾の負担となるのは大食いや早食い、寝る前の食事などで、さらに野菜が少ない偏食が多い人は脾が弱りやすくなります。

食生活が悪い人は肉体的に弱るだけでなく、血の不足からメンタルも不安定になるのです。
メンタルが不安定だからと薬に頼ったり、心理カウンセリングに通う人もいますがメンタルの問題だけとは限りません。
東洋医学ではメンタルをケアするためには心だけでなく、消化器系のケアを優先する場合もあるのです。

心血虚の薬膳
心血虚を補う薬膳の考え方は、心血を補うと同時に脾を元気にする食材が求められます。
代表的な食材としては鶏肉と玉子があり、血を補い気を高める万能な食材となります。
消化の観点からするとカボチャやニンジン、山芋などの野菜もお勧めで、栄養価が高く消化しやすい野菜は重宝します。

また、鰻や牡蠣のような海産物も効果的で、豊富なビタミンやミネラルなどが心と脾を元気にしれくれます。
また、雑穀類も心と脾を補ってくれるので、玄米や雑穀米をよく噛んで食べる習慣も心血虚の解消につながります。
大切なのは体を冷やさないように気を付けながら、温かい料理をよく噛んで食べる事で心血虚の解消につながります。

まとめ
心血虚は血の不足から認知機能の低下やメンタルの不調が現れます。
心血虚は脾の弱りからも現れ心脾両虚とも呼ばれます。
解消のためには気と血を補う薬膳を温かい料理でよく噛んで食べる事が大切です。