「歩くのが遅くなった」
「お尻が垂れてきた」
「気がつけば歩幅が小さい」
大殿筋は抗重力筋の一つで骨盤の動きに関わります。
普段の動作にも影響が大きいですが、座っているときにも重要な筋肉です。
今回は、そんな大殿筋について解説します。
大殿筋とは
大殿筋とは、股関節の後でお尻にある下半身の中で最も大きな筋肉です。
この筋肉は腸骨や仙骨などの骨盤から始まり、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)や大腿骨に付いています。
お尻には殿筋群がありますが、その中でも大きいのは大殿筋です。
骨盤を安定させて上半身を支えるとともに、上半身と下半身の動きをつなぐ役割もある大事な筋肉です。
大殿筋は股関節の伸展と外旋に加えて内転の補助にも働いています。
殿筋群には3つの筋肉があり、大殿筋の他に中殿筋と小殿筋があります。
大殿筋は股関節を伸ばすことで、階段を上がったりイスから立ち上がったりするときに働きます。
中殿筋は歩行時にバランスをとったり、身体の重心を維持したりします。
小殿筋は中殿筋をアシストしたり、横歩きをしたりする際に使われます。
大殿筋の拮抗筋は腸腰筋になり、中殿筋の拮抗筋は内転筋になります。
また、中殿筋は大腿四頭筋の協働筋でもあります。
抗重力筋としての役割
大殿筋を含めた殿筋群は下半身の安定に重要で、筋力が低下するとスポーツだけでなく日常のパフォーマンスが低下します。
また大殿筋が硬く骨盤が後傾した状態だと、ウエストがたるんでヒップが垂れ下がる原因にもなります。
いわゆる高齢者の姿勢や歩き方になるのは大殿筋の機能が低下しているからなのです。
また、座っているときに上半身を支えるのは大殿筋と腸腰筋です。
大殿筋と腸腰筋のバランスが崩れたり、顔を前に出す癖のある人は姿勢がどんどん猫背になります。
普段からデスクワークが多くて、運動不足の人は大殿筋が硬くなり骨盤の動きが悪くなります。
筋肉としての特徴
大殿筋は歩く際に前に進む力を与える筋肉なので、大殿筋が弱ると歩幅が小さくなります。
また、立ち上がったり階段を昇り降りしたりする等の動きも、大殿筋が弱るとしづらくなってしまいます。
更に大殿筋の筋力が伸縮性を失ってしまうと、骨盤が後傾位に変形してしまい骨盤が後方へ傾くことで脊椎も丸くなってしまいます。
そのため大殿筋が硬い状態で、中腰姿勢をしたり屈んだりすると腰椎に負担がかかり腰痛の原因となります。
大殿筋が硬いままに屈伸運動を行うと、腰椎の過剰な前弯を誘発し腰椎すべり症の原因ともなります。
この時に骨盤を前傾させるために働くのが、大殿筋の拮抗筋である腸腰筋です。
大殿筋が硬い人は前屈が苦手で、腸腰筋が硬い人は後屈が苦手になります。
骨盤の動きが悪い人は背骨の歪みも起こりやすくなります。
スマート筋トレ
大殿筋の機能を取り戻すのに効果的なのはウォーキングです。
ウォーキングの時にはしっかりと歩幅を大きくして歩きましょう。
歩幅を大きくしようとすれば大殿筋の働きが必要となるので、デスクワークで硬くなった大殿筋を緩めるのにウォーキングは効果的です。
理想としては、1時間のデスクワークに対して10分のウォーキングをすることです。
連続で行う必要はないので、仕事中やトイレに行くついでに歩くだけでも変わってきます。
まとめ
大殿筋はキレイな姿勢を維持する上でかなり重要な筋肉です。
ですが、普段からデスクワークが多い人は弱りやすい筋肉の一つです。
だから意識して刺激することが大切です。