「身体の動きが悪くなってきた」
「思うように動けないのは何でだろう」
「身体はどんな風に変わっていくんだろう」
60歳を超えるころには様々な筋肉が衰えます。
特に弱りやすいのが腹筋で、姿勢が歪む原因でもあります。
今回は、そんな腹筋の機能と鍛え方について解説します。
腹筋とは
腹筋の中でも歩くと外腹斜筋と内腹斜筋がわずかに活動しています。
他にも多くのインナーマッスルが歩行の際には使われています。
抗重力筋の一つである脊柱起立筋も歩行の際には刺激されています。
60歳を超えると腹筋の衰えが目立ちますが、腹筋は観察しても動きがはっきりとわかるものでは無いため自覚は乏しくなります。
腹筋が衰えると、
- 階段の昇降
- 立ち上がったり座ったりする時
- 歩く時の重心
などがあります。
高齢者は加齢や骨折などによって脊柱が変形し、体幹を傾けて歩行していることが増えてきます。
すると体幹が円背になったり猫背になったりして背骨の柔軟性が低下したりします。
明らかな猫背や下腹部を突き出したような姿勢は腹筋の問題になります。
猫背の場合は体幹が前傾し前重心となり、下腹部を突き出している場合は体幹が後傾し後重心となります。
体幹の前後傾は歩行に大きな影響を及ぼすのです。
猫背で体幹が前傾していると、歩行の際に足が後ろに流れやすくなり転倒しやすくなります。
下腹突き出しで体幹が後傾していると、常に膝を曲げた状態での歩行となるので変形性膝関節症となりやすくなります。
つまり、体幹が傾いた歩行では姿勢保持のために大きな股関節の動きが必要となるからです。
これらの下半身の負担を和らげるためには腹筋の機能を高めることが大切です。
腹筋の機能を高める腹式呼吸
大切なのは下腹に力が入り自然に腹筋が引き締まる状態にする事です。
腹筋を引き締めるためには、普段からお腹を膨らませたり凹ませたりすることです。
お腹を効率的に動かすには腹式呼吸が大切です。
腹式呼吸のやり方は、
- 鼻からゆっくりと息を吸いながらお腹と背中を膨らませる
- 口からゆっくりと息を吐きながらますお腹と背中を凹ませる
と簡単です。
ポイントとなるのは、下腹部がぺたんこになるまで思いっきり吐き出す事です。
自律神経を整えるときには息を長く吐くのがポイントですが、腹筋の機能を高めるのが目的の時はお腹の動きがメインです。
呼吸に合わせて少しでも大きくお腹を動かします。
また、息を吐く時は背筋を伸ばして下腹にお腹と背中の両方から均等な圧がかかるようにしましょう。
この呼吸を3~5回を1セットとして1日に3~5回ほど行うと腹筋が引き締まりやすくなり姿勢が良くなります。
まとめ
腹筋は弱っていても自覚はできません。
また姿勢が歪んでも自覚はないので、年齢とともにどんどん歪みやすくなります。
鏡を見て姿勢の歪みに気づいたらまずは腹式呼吸から始めましょう。