腰痛に悩まされる人は多くいます。
中でも年齢とともに腰痛が悪化する人は特に多いです。
だいたい50歳から腰痛が悪化する人は変形性関節症を患っていることが多くあります。
今回は変形性関節症の中でも腰椎変性すべり症について解説します。
腰椎すべり症とは
腰椎すべり症になると、朝起きたときから腰やお尻の下が痛くなります。
また悪化すると、7~8分歩くと足が痛くなって立ち止まってしまいます。
病院では手術を勧められることもあるのが腰椎変性すべり症です。
腰椎すべり症とは背骨の中でも腰の部分の骨が前方へ滑ってしまった状態です。
本来なら背骨は横から見るとなだらかなS字カーブを描き、靭帯などで強力に固定されているので滑る事はありません。
ですが腰椎に何らかの大きな力が瞬間的か継続的にかかることで、腰椎が滑って位置がずれることがあります。
腰椎すべり症は一つだけでなく、
- 分離すべり症
- 変性すべり症
に分けられます。
分離すべり症は腰椎分離症が起こった結果として起こります。
変性すべり症は、背骨や椎間板などが加齢とともに変性するために起こります。
原因は違っても症状はほとんど変わらず、痛みやシビレが起こります。
出やすい場所は5つある腰椎の4番目で、病院ではレントゲンやMRI、CT検査などで診断されます。
腰椎分離すべり症
背骨はいくつもの骨が重なって出来ています。
その一つ一つの骨は、本体である椎体とその後ろ側についている椎弓で構成されています。
ですがこの椎体と椎弓が何らかの原因で分離してしまった状態が腰椎分離症です。
この腰椎分離症を放置していると、分離した部分の腰椎の安定性が失われすべり症へと発展します。
腰椎分離すべり症は腰椎分離症が悪化した結果なのです。
腰椎分離症の症状は、悪化すると腰の痛みや痺れ以外にも太ももやお尻までも痺れや痛みが広がるのが特徴です。
また腰を反らせる動作で激しい痛みを伴います。
特徴として若い時には症状が出る範囲が狭いのに対し、年齢とともに広範囲の症状になります。
腰椎分離症は腰痛が強くなるだけでなく、寝ている時にも痛みや痺れが起こります。
主な原因は腰を捻る動作を繰り返し行うことです。
腰椎分離症は10代の成長期に発生しやすく、その時には症状が治まっても高齢になると再び症状が現れる事があります。
過度なスポーツをしている人に多く見られるので、運動不足になる中年以降にはあまり見られません。
基本的には反復動作による疲労骨折が原因です。
問題となるのは、分離症は程度が軽いうちには自覚症状が少ない事です。
また初期は症状の強さが日によって違うので後回しにしがちです。
腰椎分離症は早期に対処した方が予後が良好です。
疲労骨折により起こるので、コルセットやサポーターで患部を固定し安静にすることが有効です。
また体幹部の筋力アップを図って、腰椎にかかる負担を減らすことも効果的です。
痛みが治まっても過度な負担をかけないようにすることは大切で、しばらくは激しい運動は控えた方が無難です。
若い時に腰椎分離症になってしまうと、一生に渡って腰痛と付き合っていくことになる人もいます。
また若い時の腰椎分離症がきっかけで、年を重ねてから腰椎変性すべり症へと変わる事も多くあります。
疲労骨折に分類されるため、骨密度が高まる食事も推奨されています。
腰椎変性すべり症
運動などがきっかけで起こる分離すべり症に対して、変性すべり症は明らかな原因は不明です。
多くは加齢とともに
- 椎間板
- 靭帯
- 関節
など腰椎を固定している組織が変性を起こし安定性を失った結果として起こります。
安定性を失った腰椎は些細なきっかけでも腰椎の滑りを起こします。
特に椎間板は加齢とともにどんどん変性していくので、変性すべり症は50歳を超えると誰にでも起こる症状です。
また男性に比べて骨などの組織が変性を起こしやすい女性に多いのも特徴です。
変性すべり症は、腰部脊柱管狭窄症と同じように間欠性跛行が現れます。
間欠性跛行とは少ない距離なら歩けても、長く歩くとお尻や太ももの部分が痛くなって歩けなくなる症状です。
ですが、少ししゃがんで休めば痛みが和らいでまた歩けるのが特徴です。
さらに変性すべり症は間欠性跛行は顕著に出ますが、腰痛は比較的に少なくて腰痛が全くない患者さんもいます。
基本的には腰椎への負担を減らすために腹横筋を鍛えるのが大切です。
腹横筋とはコルセット状についている腹筋の一つで、腹横筋の動きが良いと腰椎にかかる負担を大きく減らせます。
変性すべり症を手術するときは、腰椎が動かないように固定します。
固定された腰椎の負担は減りますが、腰椎以外の負担は増えるので手術は慎重に検討されます。
腰椎変性すべり症を解消するには
腰椎変性すべり症を解消するには体幹の安定性を高める事が重要です。
そもそも腰椎変性すべり症が起きるのは、腹部の筋力低下により体幹の安定性が悪くなる事が原因です。
だから腹部の筋力をアップして安定性を高める事が腰椎変性すべり症を解消するのに役立ちます。
安定性を高めるために役立つのが、腹部をコルセット状に覆っている腹横筋です。
腹横筋はお腹を凹ませる筋肉なので、腹横筋の筋力がしっかりとしている人はお腹が引き締まります。
この腹横筋の筋力を高めて体幹を安定させましょう。
やり方)
- 肩幅に立ちます
- 両手をバンザイします
- 息を吸いながらお腹を凹ませ5秒キープ
呼吸とお腹のリズムを合わせて10回ほど繰り返しましょう。
お腹を呼吸のリズムに合わせることで腹横筋に強い負荷がかかります。
腹横筋の機能が高まることで腰椎の安定性が高まります。
呼吸はより深く長く行うとより効果的です。
骨を強くする食事
腰椎変性すべり症は骨が弱くなる事で起こります。
そのため腰椎変性すべり症を悪化させないためにも骨を強くすることが大切です。
骨を強くするのはカルシウムですが、加齢によってカルシウムの吸収率は下がります。
そのためカルシウムの吸収率を高める
- ビタミンD
- ビタミンK
を同時にとる事も大切です。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて、ビタミンKはカルシウムが骨に沈着するのを助けます。
ただしビタミンKは腸内細菌が作ってくれるので、厳密にはビタミンKをとるのではなく腸内細菌の餌となる食物繊維をとることも大切です。
カルシウムを含む食品は、
- 牛乳や乳製品
- 小魚
- 小松菜
- 大豆製品
などが基本です。
ビタミンDを含むのは、
- 鮭やサンマ
- 椎茸
- キクラゲ
- 卵
などです。
ただしビタミンDは太陽光を浴びる事でも作られるので、食事だけでなく日中に歩くことなども重要です。
ビタミンKはカルシウムと同じ納豆や小松菜などに含まれます。
納豆や小松菜は食物繊維も豊富なので、骨を強くするには最適な食材です。
またタバコやアルコールはカルシウムの吸収を妨げるので、骨粗鬆症が心配な人は特に控えましょう。
まとめ
腰椎変性すべり症は加齢とともに起こりますが、そもそもの原因は体幹が不安定だからです。
そのため体幹を安定させるのが腰椎変性すべり症の根本的な解消につながります。
体操に加えて食事にも気をつける事で加齢に負けない身体を作れます。
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