老化の速度は食事によって左右されます。
いつまでも若々しい人は食事にとても気を使っています。
ですが難しかったり複雑だったりする食生活を送るのはハードルが上がります。
そこで私はパパっと実践できる薬膳をすすめています。
実年齢よりも若い身体とは
人間の身体は年齢とともに変わっていきます。
特に実年齢と体内を比べたときに違うのが、
- 血管年齢
- 腸年齢
- ホルモン分泌量
です。
パパッと薬膳は実年齢よりも若い腸年齢を目指します。
するとしなやかな血管や十分なホルモン量が確保されるのです。
そのため重要となってくるのが腸内環境です。
若い腸年齢とは腸内細菌のバランスが
善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1
になっています。
老化とともに悪玉菌の割合が増えやすくなります。
だから意識して腸内細菌のバランスを整えることが必要となります。
腸内細菌のバランスを整えるには
そもそも老化とともに悪玉菌の割合が増えやすくなるのは消化不良を起こしやすくなるからです。
そのため食事の内容に気をつけるのも大切ですが、よく噛んで食べたり食べる量を減らしたりすることも大切です。
悪玉菌は消化不良を起こして大腸内に長く留まる食べかすを餌にして増殖します。
ですが善玉菌が多い人は悪玉菌の増殖を抑えて、消化吸収を助けてくれます。
オリゴ糖や食物繊維が善玉菌の餌となります。
炭水化物は善玉菌と日和見菌の餌になり、たんぱく質は日和見菌と悪玉菌の餌になります。
腸でも消化を行っていますが、消化を行うためには酵素が必要です。
若い身体を維持するためには消化酵素を意識して摂取することも大切です。
酵素が不足すると重大な消化不良を起こし、小動物なら最悪の場合は死に至ります。
そのため酵素をいかに取り入れたり作ったりするかは、悪玉菌を増やさないためにもとても重要です。
酵素には唾液に含まれるαアミラーゼや胃酸に含まれるペプシンなどがあります。
中でも腸内細菌が作り出す酵素は、人間が自力では作れない食物繊維を分解する酵素を作ります。
ちなみに植物に含まれる澱粉を分解する酵素はβアミラーゼと呼ばれます。
βアミラーゼは70℃くらいでよく働くので、生のままでは働きません。
そのためさつま芋を焼き芋にすると甘いのは、70℃くらいに加熱されることでβアミラーゼにより澱粉が麦芽糖に分解されるからです。
だから澱粉が多い食材は70℃くらいの火を通した方が良いのです。
腸内環境を意識しよう
食品からも酵素をとれますが、調理法によっては酵素の働きは失われます。
実は酵素の多くは腸と腸内細菌がメインで作っています。
酵素が活発に働けるようにするには、常に良い腸内環境を意識することがとても大切です。
逆に酵素を減らす要因も存在します。
腸内細菌は、
- アルコール
- 喫煙
- 過食
- ストレス
- 食品添加物
- 医薬品
などによって容易に減少します。
この時に日和見菌が善玉と悪玉菌の優勢な方に味方します。
腸内環境を整える食材とは
腸内細菌叢の多様性は活性型ビタミンDを作ります。
活性ビタミンDの多い男性の腸内細菌叢には12種の酪酸生成菌が発見されています。
酪酸は短鎖脂肪酸の一種で酢酸やプロピオン酸があります。
腸内が弱酸性になることによって、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの吸収性は上がります。
酪酸菌を多く含む食物といえば、ぬか漬け、ナチュラルチーズ、納豆等です。
酪酸菌のエサとなる食物繊維のうち、特に水溶性食物繊維が酪酸菌のエサとなりやすいといわれています。
水溶性食物繊維を多く含む食品には、
- 海藻(わかめ、めかぶ等)
- 雑穀(そば、ライ麦)
- 野菜(ゴボウ、納豆、アボガド、ニンジン)
などがあります。
腸内環境を整えるポイントは食事だけでなく、適度な運動習慣が必要とされています。
運動は腸の活動を活発にし、酪酸菌の過ごしやすい環境づくりに効果的とされています。
目安としては週3~4回のペースで1日30分~1時間程度で、息が少し上がるくらいの有酸素運動が良いとされます。
腸内環境が整うには、90日程かかるという研究もあるので継続することが大切です。
最近になって注目されているのが
- 酪酸菌
- 乳酸菌
- 糖化菌
の3種類で菌ごとに特徴があります。
酸素を欲しがる糖化菌は小腸上部で、酸素の有無による影響が少ない乳酸菌は小腸下部~大腸で、酸素が苦手な酪酸菌は大腸で増殖します。
この3種の菌はお互いに相性が良く、それぞれを単独で摂るよりも、あわせて摂るほうがより多く増殖することができるのです。
実際に、糖化菌は乳酸菌の増殖を促進し、乳酸菌は酪酸菌の増殖を促進することが分かっています。
酪酸菌が作り出す酪酸は大腸のエネルギー源になり、腸が正常なはたらきを維持するのに欠かせません。
酪酸には腸のぜん動運動を促す作用もあります。
そのため酪酸菌が多くいれば、加齢によって低下する腸の動きを補ってくれます。
まとめ
パパッと薬膳で最も注目しているのが腸内環境です。
腸内環境は常に研究されているので、どんどんと新しいことが分かってきています。
だからこれからも最新の情報を更新します(*´ω`*)