急に胸が苦しくなる。
階段を上がっただけで息が切れる。
老化なんだろうか、、、
東洋医学では、老化のことを腎虚と呼びます。
腎虚とは腎が弱ることであり、腎臓の機能低下も含みます。
こちらでは腎虚によって起こる身体の変化について書いています。
加齢による身体の変化
多くの内臓は加齢とともに機能が大きく変わりません。
ですが、心臓と腎臓は大きく機能が低下します。
心臓は精神的な影響も大きく、普段からストレスが大きい人ほど負担がかかります。
腎臓のエネルギーは腎精と呼ばれ、
- 先天の精(親から受け継ぐ)
- 後天の精(食事などで補う)
の二つがあります。
また東洋医学から見ると腎臓は両親から受け継いだ先天の精は徐々に消耗され、回復することはありません。
腎臓は老廃物の排泄を担当するので、排泄力が低下すれば徐々に気(代謝)も弱くなっていきます。
腎虚となり気(代謝)が下がると、心臓の機能も下がり虚血性心疾患が起こりやすくなります。
そこで重要となるのが、食事などで補給される後天の精です。
降圧剤の副作用
腎の機能を高めることもなく、虚血性心疾患の薬を飲めば副作用に悩まされることが多くあります。
特に高血圧に処方される降圧剤には多くの副作用を伴います。
めまいやむくみ、空咳などは代表的な降圧剤の副作用です。
降圧剤には、血圧を上昇させるホルモンであるアンジオテンシンを無力化させる拮抗薬(ARB)と変換阻害薬(ACE1)があります。
拮抗薬は腎動脈の狭窄を起こしたり、変換阻害薬は空咳などの副作用の危険があります。
加齢とともに血圧が高くなるのは普通のことです。
それを不自然に血圧を下げれば、心臓の負担は下げても腎臓の負担は大きくなるのです。
後天の精を補う
腎臓の機能が低下すれば、心臓の機能も低下します。
そのため心筋梗塞などの患者さんは腎不全を招きやすく、腎不全の人は心筋梗塞を招きやすくなります。
ここで大切なのは、薬に頼らずに高血圧を解消することです。
高血圧の解消には適度な運動が必須です。
血液が滞りやすい足の血流を良くするだけでも高血圧の解消には効果があります。
もう一つのポイントは体質に合わせた食事を心がけることです。
同じ高血圧の人でも、
- 陽実証
- 陰虚証
の人はおすすめの食材が違います。
陽実証は気(代謝)が高いために血圧が上がっている人です。
対して、陰虚証は津液(水分)が不足して血圧が上がっている人になります。
陽実証は肥満体型の人が多く、食べ過ぎる傾向にあり身体の痛みなどを感じやすいのが特徴です。
そのため陽実証の人は、身体の熱を冷ます果物や食物繊維が豊富な野菜を多くとりましょう。
そして肉類などの動物性食品を減らすのが基本です。
陰虚証の人は腎が弱っている人が多いので足のむくみやだるさなどを抱えているのが特徴です。
そのため身体を潤し腎を補う食材がおすすめです。
腎を補うのは魚や海藻などの海の幸です。
対して身体を冷やす夏の果物やサラダは避けたほうが無難です。
高血圧を根本から解消しよう!
高血圧を解消すれば腎臓も心臓も機能が回復します。
虚血性心疾患を解消するには、薬で高血圧を解消するだけではありません。
大切なのは、自分の体質に合わせた対処をすることです。