東洋医学の経絡(けいらく)は、目に見えないエネルギーの通り道と言われています。
現代医学では経絡の存在は認められていませんでした。
ですが近年になって、筋膜や神経などのネットワークの研究が進むことで、経絡と似た仕組みがあるのではないかと注目されています。
今回は経絡と筋膜、神経のそれぞれの特徴と共通点を分かりやすく解説します。

経絡とは何か
東洋医学では、体には経絡というエネルギーの通り道があり気血水が流れていると考えます。
この経絡上の気血水の流れが悪くなる事で、痛みや疲れなど様々な不調が現れると考えられています。
そしてこの経絡の上にある流れが悪くなりやすいポイントがツボ(経穴)であり、鍼やお灸でツボを刺激することで体の流れを整えます。

経絡は臓器を中心とした主要な12本の経脈と、そこから枝分かれした支流のような絡脈に分かれます。
この2つの流れを合わせた経絡を通して気血水を運び、体表と内臓をつなぐことで体の表面に内臓の不調が現れるのです。
現代でも経絡の存在は確認されていませんが、神経や筋膜、血管に電気抵抗の違いなどが関連していると議論されています。

経絡と筋膜との共通点
最近、注目されているのが筋膜(きんまく)で、これは筋肉や内臓を包んで全身につながる膜のネットワークです。
筋膜の特徴は全身が連続していて張力を伝え、全身の動きがお互いに影響する事です。
例えば、足の筋膜の緊張が腰や肩の痛みにつながる事もあり、離れた所が影響しあう経絡の考え方と似ていると言われます。

筋膜が原因の不調は主に長時間の同一姿勢や運動不足などにより、柔軟性が失われ筋肉と筋膜が癒着することで起こります。
そして筋膜は水分量やコラーゲン繊維の配列により電気抵抗が変化し、健康な状態では電気の伝達がよいですが脱水や癒着などが起こると電気が通りにくくなります。
癒着した筋膜はゆっくりとストレッチしたり、深部まで圧を加える事で緩める事が可能なので鍼の刺激は筋膜を緩めるのに効果的と考えられます。

経絡と神経との関係
経絡との関係が注目されているのが神経ネットワークで、ツボのある位置は周囲よりも電気が流れやすいスポットであることが多くあります。
そのため、ツボを刺激する事は神経を刺激するのに効果的で、それらの反応から自律神経が調整されると考えられています。
経絡の通り道とは電気が通りやすいラインとする考え方もあり、内臓などの疾患があると電気の流れやすさに変化がある事も注目されています。

基本的にツボの多くが神経の集まる場所に近く、経絡を刺激する事で筋膜と自律神経の両方に影響している可能性があるのです。
現代医学の筋膜や神経は解剖学的な部分に注目しているのに対し、東洋医学は生理学的な部分に注目している事が分かります。
つまり、現代医学は構造的な部分に着目し、東洋医学は機能的な部分に着目してアプローチする医学と言えそうです。

まとめ
東洋医学の経絡は、完全に解明されたわけではありません。
ですが、筋膜と神経のネットワーク研究が進むことで、東洋医学と現代医学のつながりが少しずつ見えてきています。
東洋医学は効果があるけど科学的な証明が不十分でしたが、今後は科学的な証明も進んでいくかもしれません。
コメントを残す